さて、お腹が一杯になったからいよいよ世界遺産、都江堰を目指す。
「青城山以上に満員やろなあ」
都江堰というのは紀元前3世紀頃造られたという巨大な水利システムだ。
昔から山から注ぐ大量の岷江の水が時には成都一帯をに大水害をもたらしていたらしい。
それで、その川の中に魚嘴、飛沙堰、宝瓶口といった分水路を配置して、水の流れを
制御し、周辺に水害が起こらないようにするとともに、灌漑用水としても常に十分な
水が確保できるようにしたという優れた土木工事なのだ。
こういうものが紀元前からあったということにまず驚くほどの規模のものだという。
前回成都に来た時には地震の跡だったので、この大部分が被害を受けて破壊されたと
言う事で見る事ができなかった。それが殆ど完全に近いくらい修復されたというのだ。
こんな事を頭に中に詰め込んで、なんとなくぼんやりと水防ダムみたいなのが
どんどんどんと並んでいるような感覚を持っていた。
行ってみるとえらい違いだ。
簡単に言えば中洲のようなものうまく作って、中州で分離される水の流れに微妙な
速度差を発生させる事で量と勢いを制御しているように見える。
「頭ええやん」と感心する。
入り口には大勢の観光客がつめかけてわいわいがやがやの騒ぎだ。
中に入って行くと、どこにどう行っていいかよくわからないほど規模がおおきい。
どんどん歩いて行くと、どうやら最初の宝瓶口のあたりが見れるようになった
観望の建物のようなものがあった。こういうふうに都江堰を巡って要所、要所を
見るために東屋のようなものや、お堂のようなもの、お寺のようなものが沢山
配置されて一大公園になっているのだ。
一見立派だが何となく不安定な吊り橋を川を渡ると飛沙堰が見える当たりに着く。
「やめてくれ!」
中国の人は、吊り橋で騒ぐのが大好きだ。かならずわざと揺さぶる人がいる。
「こんなん怖いことないで」って自慢したいのかどうかわからんけど、こういう
ふざけ方は危険だからやめてほしいものだ。笑ってすませない時が来ると思う。
この辺からは急流が旨く分離されている様子がよくわかる。
対岸から見ると、急流のなかに緑の山が流れ落ちてなかなか味のある景色になっている。
わざと塔や東屋を配してこちら側から見る風景を作っているのは、「なかなかやるね」
中国らしい感覚だ。
最後の魚嘴はかなり遠くに見える。
「どうやって行くんやろ? 歩くのしんどいなあ」と思っていたら、電気自動車が
見えた。
「安いし楽やから乗ろうや」
より大きな地図で 都江堰 を表示
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