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最近読んだ本、「文豪、社長になる」、「愚か者同盟」。

「文豪、社長になる」。 門井慶喜 著 あじあん 「文藝春秋社」を創った人の話。 とても楽しい。本好きのわしにとっては、親しみのある文学者が次々と登場するし、それぞれの当時の交流関係がとてもよくわかるように描かれてるのが嬉しい。 読み始めたらやめられへんくらいだ。 物語はいきなり、巨匠、夏目漱石の葬儀の場面から始まる。 第1世代の弟子たち。小宮豊隆、森田草平、岩波茂雄、鈴木三重吉・・ 第2世代の弟子 […]

最近読んだ本、「ヘルンとセツ」、「ビトナ」。

「へルンとセツ」 田淵久美子 著 あじあん ラフカディオ・ハーンと妻セツの物語。 とても素晴らしい。感動の物語。 まるで、朝ドラを見てるみたい。 稲田セツは松江城下の武士の家で生まれた。実は小泉家で生まれたんやけど、産まれると同時に親戚の稲垣家の養子に貰われたのだ。 そして稲垣金十郎の娘として育っていく。 頃は幕末の頃。 世の中が激動していく頃。 武士が武士でなくなっていく頃だ。セツのまわりにも非 […]

最近読んだ本、「掏摸」、「呼び出し」。

「掏摸」 中村文則著。 あじあん 世界は理不尽に溢れてる。 この人の本はとてもドラマチックだ。読み出したらやめられん。 どんどんと引っ張られる。 まるで映画を見てるようだ。ハラハラドキドキ。 展開が早い。 次に何が起こる・・・ そういえば、はるか昔、「スリ」とか「刑事」とか名画がありましたなあ。 音楽もよかったけど。 彼は天才スリ師。 本の帯に、 ある日、彼は「最悪」の男と再会する。男の名は木崎― […]

最近読んだ本、「バイナル・カスライン」上、下。

「バイナル・カスライン」。 ナギーブ・マフフーズ 著。 あじあん すべてはアッラーの思し召しなのだ。 前に、この作家の「ミダック横町」という本を読んで、とても惹きつけられた。わしの好きなアジアの混沌がたちあがってくるような人々の描写が良い感じであった。 その時に、この作家がノーベル賞をもらうきっかけになった超有名な三部作があるというのを知って興味を抱いた。その1がこれである。 カイロの誰もが知る「 […]

最近読んだ本、「楊花の歌」、「尚、赫々たれ 立花宗茂残照」。

「楊花の歌」 青波 杏著。    あじあん 1941年廈門から。 1941年は太平洋戦争が始まった年である。 私は上野で生まれた。7歳で広島へ、それから台湾へ渡ってまた広島、そして家が傾き大阪の松島遊廓に売られた。京町楼にスミカありと言われた女。 三善先生と呼ばれる売れない小説家が私を気に入った。居続けしては娘のおせんちゃんが迎えに。 そんなある日、先生が特高に連れていかれた。あらかじめ […]