最近読んだ本、「言葉のトランジット」、「ジェイムズ」。
「言葉のトランジット」。 グレゴリー・ケズナジャット 著 あじあん 「旅に出かけて、見えてきた景色。英語と日本語の間を行き来する」 今回のちょっと不安な、久しぶりで期待に満ちた、ややこしい気持ちの中国の旅の間、ずっとこの本を読んでいた。とても魅力的なエッセイ集だ。 前は中国語をほんの少し喋れたけど、今はもうすっかり忘れてしまった。旅の途中、突然、話しかけられたりして、何も考えずに返事ができたりした […]
本
「言葉のトランジット」。 グレゴリー・ケズナジャット 著 あじあん 「旅に出かけて、見えてきた景色。英語と日本語の間を行き来する」 今回のちょっと不安な、久しぶりで期待に満ちた、ややこしい気持ちの中国の旅の間、ずっとこの本を読んでいた。とても魅力的なエッセイ集だ。 前は中国語をほんの少し喋れたけど、今はもうすっかり忘れてしまった。旅の途中、突然、話しかけられたりして、何も考えずに返事ができたりした […]
「小説」 野﨑まど 著。 あじあん 君はなぜ小説を読む? 読むだけじゃだめなのか。 内海集司、小学校6年生。 何故か本を読むのが好きになった。本を読んだら褒められる? そのうち楽しみは本しか。 本を読むためだけの暮らし。読めば読むほど面白い。次々のひたすら読む。 何でもかんでも。友達も要らない。遊びも要らない。 それでも友達はできた。やっぱり本が繋いでくれた。 外崎真という。 わしも本を読むのが好 […]
「コンパートメント No.6」 ロサ・リクソム 著 あじあん 乾いた凍てつく三月の夜、モスクワはうずくまっていた。 この本、素晴らしい。 ソ連崩壊直前、モスクワからウランバートルへ向かうシベリア鉄道。 おんぼろ列車、果たして目的地まで辿り着くのか。 「コンパートメント No.6」にのりあわせた。女学生と労働者。 フィンランド人留学生寡黙な少女と建設現場に向かうロシア人の饒舌な男。 何 […]
「聊斎本紀」。 閻 連科 著。 あじあん 炎天下に手足を縛られた男は、酒を飲めず、水も飲めず、ひたすら耐えている。やがて男の口から虫が出た・・・・・ 中国の有名な怪奇小説集、「聊斎志異」をリメイク的に仕上げたやつだ。 ノーベル賞の候補に上がるような作家なので、さすが、古典の世界がシュールにスマートに立ち上がる。 異界、魔界、霊界、この世の話、あの世の話。 人と人。人と狐。狐と狐。生きたり死んだり。 […]
「最初の星は最後の家のようだ。」 太田愛 著。 あじあん 短編集。SFショートショート的な? ミステリー的な? 死の匂いが・・ 作者は様々な設定で、痛いほどの喪失感や切迫感を、隙のない緻密な文体で語ってきたが、常にその背景や前景に現実を浮かび上がらせるのを忘れない。 1.遊戯室 10月の子供たち あの10月、「わたし」と僕は7歳。おとぎと現実が二重螺旋のように編み合わされていた頃。僕たちは同じ日に […]