敦煌の旅を振り返ってみたら-06、沙鳴山へ

玉門関を見たら、またひたすら砂漠の道を戻る。2時間かけて行ったから、帰り
も2時間かかる。戻ったらもう19時だ。もうどこも行かれへん残念だ。
と思いきや周りはまだまだ全然そんな雰囲気ではない。体感的にはまだ真昼間
のようだ。運転手に聞くとまだええでと言う。
しめしめ、「ほんなら、沙鳴山と月牙泉」に行ってもええ?」って聞くと、
ええよって言う。これはうれしい。ここでは北京時間よりは体感時間が重視されてる
みたいだ。ありがたい。
では、ほんまもんの砂漠にまいろう。

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街からちょっと行って曲がるともう入り口があった。えらい近い。

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中に入るとここの砂漠はさっきまでとえらい違う。しっとりとしてキメが細かい。
こっち本当のわしが思ってる砂漠やんかと思う。
沙鳴山というからにはキュッキュッて砂が鳴くんやろか?

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おやっ、ラクダに乗って砂漠を歩くミニツアーみたいなんがあるようやんか。
これがええ。まるで「月の砂漠を・・・はーる・・ばると・・・」やんか、
60元らしい。乗ってみよう。

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砂場に入るときは全員オレンジの長靴を借りることになっている。靴のままでは
どんどんめり込むんやろなあ。
金を払って順番に駱駝に乗っていく。さあもうすぐやと思ってたら横でドサッと
言う音がした。
あっちで乗ろうとした人が落ちたのだ。
えっ何したん? よっぽどドジしたんやろか?
そうではなくて駱駝に落とされたらしい。係員が気をつけろって言うてる。
駱駝って結構意地悪みたいだ。乗った瞬間急に立ち上がったり、左右にしゃくったり
してる。気に入らん客にはよけい意地悪するみたい。でもどんな客が気にいらんのかは
わからん。恐る恐る乗ったらいけた。
では出発だ。

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しっとりした砂の稜線が美しい。それを見ながらトボトボ歩く。
ではなく駱駝は結構早足やし、砂山は見る分にはしっとりしてるけど駱駝が
あるくと結構悪路だ。ゴンゴン歩くという感じになる。
お尻がむずむずする。
ゆっくり行ってほしいと思う時に限って早く歩く。やっぱり意地悪なんや。
綺麗な砂丘を歩くのはとてもええんやけど同じ風景ばっかりでかなり飽いて
来た。
駱駝に行く時に、モータハンググライダーに乗らへんかと言う話もあった。
しかし、ちょっと怖そうというか信用できなさそうやったんでやめたんやけど
そっちの方がよかったかなあなんて後悔し出した頃、砂滑りをするという事に
なった。別にしたいないけどと言う手もコースに入ってるんでやらんとしゃあ
ないんだそうだ。それもまず、滑り初める位置まで上らなあかん。

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それがえらいしんどい。オレンジの長靴を履いてるんでよけい歩き難い。
ヒーヒー言うて辿り着いたらあっという間に下まで降りる。
楽しくもないけど義務は果たした。
又駱駝に乗る。
そろそろ尻が痛くなってきた。駱駝の背中でゴンゴン歩く度に、尾てい骨が
駱駝の瘤にこすれる。その瘤がゴリゴリやから尾てい骨の周りが段々ずる剥け
になってきてる。痛くてしょうがない。腰を浮かしてのってるけど何時までも
続かへん。ゆるんだところにまたゴンとくる。
何とかしてくれ。
このミニツアーには追加オブションで月牙泉の方も回れるのだそうだ。
しかしもう我慢できへん。でも月牙泉には行きたい。
他に方法はと聞くと電気自動車があるという。もちろんそれにしよう。

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そろそろ夕暮れになりかけてきた。砂は鳴かへんけどわしは鳴きそうだ。

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ありがとうございました。