敦煌の旅を振り返ってみたら-05、玉門関へ

莫高窟を堪能した。言うてることはよう分からんかったけど怒涛の壁画に十分
すぎるほど堪能した。現在15:00、今から砂漠の中の玉門関に行く。ここも
よくばり目標の重要ポイントだ。
王之渙の涼州詩というのがある。
黄河遠上白雲間
一片孤城万仭山
羌笛何須怨楊柳
春光不度玉門関
砂漠の中にポツンと小さなお城があるのは昔からなのか?
砂漠の中には柳も春も無い。異教徒の笛の音が聞こえるだけ?
ロマンチックな気分が高まる。
運転手は嫌そうだ。ここから100kmほどひたすら砂漠の中を走ると言う。

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成る程、砂漠の中を走るってこんなんやったんか?
平山郁夫のシルクロードの絵にあるようにサラサラの砂丘がどこまでも続いて
その稜線の尾根伝いにラクダの隊商がとぼとぼ歩いて行くという絵柄を漠然と
想像してたけどえらい違いだ。ごつごつの唯の荒地にしか見えへん。その真っ只中
をまっすぐに延々と道が通ってる。山も畑も田んぼも何もない。ひたすら土くれと
コンクリートの道だけだ。
おっと何かあった。料金所らしい。

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誰もいてへんのかと心配したけけど料金はしっかりとるみたい。
あとはまたひたすら走る。たまたま雇ってきた通訳の女性とわしと運転手だけ、
こんな寂しいとこを延々と走って大丈夫やろか? 泥棒が出たりせえへんのか?
時々心配になるほどだ。道の遥か先は水平線のように見える。

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その向こうに河か湖があるんやろか?
いや蜃気楼やで。こんだけ晴れて暑い中、砂漠の真っ只中を走ってるんやから
蜃気楼が見えて当たり前だ。ゆらゆらと水気のようなものが立ち上っていて、
眠気の中に誘い込まれてしまいそうだ。
結局2時間ほど走ってやっと着いた。

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あの土のブロックみたいなのがそうらしい。旅人たちの夢の跡。

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なんだか嘘っぽい。これが中国だ。
位置的にこんな感じらしい。

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左にあと75km走るとヤルダンの奇岩があるとこらしいけど、運転手は行きたく
ないって言ってる。長城跡もあるらしい。でもまあ今日はここだけにしとこう。

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中には入れない、外から眺めるだけ、というても何も無い土のキューブがポツンと
あるだけ。玉門関というからには関所となってたお城があったはず、よくもまあ
こんな形で残ったものだ。ほんまかなあ? という疑問は若干ないではない。
しかし、いっそこうやって土に還ってしまって、いつかは何もなくなるってとても
潔いではないかと思う。
周りを見渡してもひたすら何も無い。

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あの塊も何かの趾なんやろか?
ずっと先に見える壁のようなものが漢の長城の趾なんやろか?
こっちは入り口、その向こうにあるのは軍の施設らしい。

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それでもう何もない。
さて、この時点からも7年、今現在はどうなってるんやろ?
どんどん土に還っていってるんやろか? それとも宮殿みたいなのが出来てるんと
ちゃうやろか?
それはどうでもええけど、こういう土の下にここを駆け抜けた戦士たちの歴史が
埋もれているという事を考えるとなぜかじんとくるものがある。
見渡す限りの青空に下でその跡はどこまでも渺茫だなのだ。
羌人が吹く笛の音が聞こえるかな?

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ありがとうございました。