四川省、楽山大仏、峨眉山、蜀の桟道の旅-06

峨眉山への道中は雪道になってしまった
昼飯を食べ過ぎて満腹だが、動くのは車だから問題ない。
このままロープウエーの所まで行けたら実に快調だ。1時間半位で着くだろう。
車は順調に高度を稼いでいく。
1時間くらい登っただろうか、車が止まった。大きなゲートがあって、駐車場がある。
「ここから先は、自家用車通行禁止になっている」と運転手が言っている。
ここで登山専用バスに乗り換えて行くのだそうだ。
「環境保護のためかな?」と思いながら車を降りて乗り換えた。
入山料が150元、バスが20元?結構高い。
人が多くてかなりの列になっている。危ないから座れる分しか乗せない。
バスは小さいのが、結構次々にくるのでじきに順番が来た。
狭い山道をバスはガンガン飛ばしていく。手慣れたものだが、乗っている身には
かなり怖い。すれ違いもきわきわだ。時には追い越しもする。
「下りもこのスピードだったら怖いなあ」と思いつつ外を見ていると、景色が
だんだん雪化粧だ。
「雪があるで」、「きれいやなあ」と言い合いながら乗っている。
「まさか道は凍ってないやろなあ」
「それはないやろ」と言っていたら、それも妖しくなってきた。
道がところどころ凍結している感じがなのだ。
「大丈夫かいな」と思っていたら、突然車が止まった。
道は本格的に凍っているようだ。どうやらここでチェーンを巻くようになっている
場所にきたようだ。
と、外を見ていると、道端に何人かいて、それぞれ、ちいさな先がカギ状になった
鉄の棒を持っている。
と、さっとバスに寄ってきてバスからチェーンを下ろし、あっという間に装着して
しまった。まさに光速の技だ。
「F1みたいやね」と感心してしまった。
今度はチェーンをつけて、さすがに前ほどは飛ばさないが、それでもスピードは
早い。山は本格的な雪化粧が。樹氷が綺麗だ。
山の雪景色の間に、小さなお堂がある。
「さすが中国的だ」と思った。
一句想い出す暇もなく、バスは走り去って、最終登山口へついた。