飯を食ってビールも飲んで良い気持ちでゆっくりしていたら、又、「ボーーーォ」という
音が鳴った。時間を見ると、9時半にここを出た列車が終点の芭蕉溝駅まで行って、引き返してくる
時間だ。蒸気機関は同じ型のようだが今度は客車を繋いでいる。
プラットフォームは一気に賑やかになった。
写真を撮る人が一遍に集まってきた。
運転しているのはあいかわらず上半身裸のお兄さんだ。
まあ、こんだけ暑いと服なんか着ていられないだろう。
1両目は、観光車両のようだ。もちろんエアコンはないが、それなりに小奇麗で椅子もある。
窓を開けて走っていれば風もくるだろう。
その後につないだ3両は一般車両。地元の人達が利用するやつなのだろう。
「これはキツイなあ」
窓は小さいし、椅子なんかも無さそうだ。
荷物や家畜なんかも一緒に積み込みそうだ。
これで1時間も旅をすることを考えると、見てるだけで発狂しそうだ。
「観光用のチケットを買えないとえらいことになる」
乗客が皆おりると、暫くは整備タイムのようだ。
待合室で待つ人以外は、又、いなくなった。
我々は、待合室に行ったり、その外の広場の木の下にいったりして時間をつぶす。
どこに行っても暑さは変らない。
これで列車に乗ったら、ほんまに熱中症になるんちゃうかと真剣に心配になる。
「水をしっかり持っていこう」
1時近くなっても、待合室に動きはない。もう20人以上人がいるようだが、
チケット売り場は閉まったままだし、先に並ぼうとする人もいない。
「あんまり焦ってないんかなあ」
「どこに座っても暑さにはかわりないからやろなあ」
「チケット買えないという心配はないんやろか?」
いろいろ不安になる。
約1名だけ、チケット窓口の真前にデンと荷物をおいて、順番を確保した気でいる人がいる。
それでも1時になると、売り場前に動きがでた。我々もあわてて代表が1名並んだ。
やっと事務の人が来た。
チケットを売るようだ。
一人、一人に結構時間がかかる。前から順番に連番制で座席指定のチケットをくれるようだ。
一人一枚のチケットではなくて、合計金額に見合ったバラの領収書見たいなチケットをくれる。
一枚だけ何号車の何番ー何番と書いてあるのだけが座席を確保した印のようだ。
蒸気機関車が先頭に回される。回転する場所はないから、ここからはバックでスタートするようだ。
「そろそろ乗れるかな?」と思っていたら、もう一両追加された。
観光車両が追加になったのだ。
客が増えたから追加になったのだろう。中々良いサービスだ。これで乗れない人はなくなった。
しかし、もっと観光化されたらこうはいかないだろう。
さあ乗ろう。急に動きが慌ただしくなった。
もうすぐ出発だ。
出発駅は石渓駅。
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