杭州お絵かき勉強日記-114 西安、雨の中興慶宮公園へ

興慶宮というのは唐の玄宗皇帝の宮殿を偲んで当時の建物や催しを彷彿させる
ようなモニュメントを配した公園らしい。特に興味をそそるというものでもな
いが、そこに阿倍仲麻呂の記念碑が建てられていると聞いたので行ってみたい。
今回の旅は私が杭州にいる間に持ち上がった話なんでいろいろ調査不足の部分
がある。何故かは判らないが、いろんな検索エンジンを使ってもなかなか調べ
られないのだ。特に地図なんかは肝心な部分だけでないようになってる場合が
ある。中国語でいろいろ検索したら引っかかるんやろけど私の語学力では難し
いそれで十分場所が把握できないまま来てしまってるところが多いのだ。
阿倍仲麻呂記念碑もそうだ。まあ公園やから行ったら何とかなるやろ。
(実はそれが甘かった)

入り口のところでは雨宿りをかねて皆さん踊りの練習中。

結構本格的な音楽が鳴ってるなと思いながら裏に廻ると男女のペアがタンゴの
練習をしていた。それらしい衣装をつけて体をそらし、手を腰に回して、情熱
的な振り付けやんか。でも何故わざわざ雨がふる興慶宮公園の玄関でやらんと
あかんのやろ? 公園内は濡れるからやろか? 練習スタジオなんかないん?

中の方に行こうと思って足が止まった。
道が数センチほども冠水している。わしは雪駄やからわざとのようにじゃぶじ
ゃぶ行くけど友達はつま先でつんつんしながら水の少ないところを選んで歩い
ている。少し行くと大きな池があって噴水もある。

さて阿倍仲麻呂はどこや? 軽い気持ちで廻ってみた。
わからん。
良う見たらどえらく広いのだ。しかも木が一杯あるし、小高いところを一杯こ
しらえてるし見通しがきかへんのだ。
埒が明かん。しゃあない聞こう。何て聞いたらええんやろ。
「昔、唐の時代に居た日本人の記念碑ありませんか?」と売店のおばちゃんに
聞いた。分かったようだ。「あっちの方」と面倒くさそうに答える。
林の中だ池をぐるっと廻ってそっちの方に行く。
わからん。
あたりを探りながら小高い岡の上の東屋みたいなとこに行く。おっちゃんが
カラオケの練習中だ。又聞く。「あっちの方」又違うところを指差す。
後又何人か聞くがそれぞれ違う答えだ。どうすりゃええんや?
さまよっているうちに、いろんなモニュメントを見た。
玄宗と楊貴妃が牡丹の花の花見をした沈香亭もあった。

李白さんもおった。

このころやっと、阿倍仲麻呂ってそのまま中国語で言うたらええんやと思い
出した。たしかどっかで聞いたことがある。
それでお堂のところで雨宿りしながらクラシック音楽の練習をしてるカップ
ルにも聞いた。その人たちはわからんようやったけどその向こうで本を読ん
いた青年が聞きつけて、「阿倍野仲麻呂やったら知ってるで」と言ってくれ
た。「しめた」ここぞとばかり擦り寄って行くと、「何やったらわしが連れ
てったるわ」と嬉しい申し出だ。
実際はその人もはっきりとは知らないで聞きながら探したんやけど、現地の
人が聞くんとわしらが聞くんとは全然ちゃう。
程なくたどりついた。
「これか」

何かわからんけど雨の中で感動してしもた。
日本から遣唐使で来て、中国で大臣にまでなって、中国人も名前を知ってる
という歴史上の人物がいるんや。

李白も友達だった阿部仲麻呂(晁卿)が日本に帰る途中遭難したと聞いて、
こんな詩を作っているくらいだ。(実際は死なずに長安に戻った)

晁卿衡を哭す
日本晁卿辞帝都
征帆一片遶蓬壺
明月不帰沈碧海
白雲愁色満蒼梧
この詩、碑の横に廻ったらちゃんと彫ってあった。


より大きな地図で 興慶宮公園 を表示

それにしても案内してくれた青年には感謝だ。分厚い漢詩の本を読んでたよ
うやから文学青年やってんかもしれん。
それで助かった。
探すのにえらい時間を食ってしまった。青龍寺へ急ごう。

ブログランキングに参加しています。もしよかったらポチンとお願い致します。
にほんブログ村 旅行ブログ アジア旅行へ
にほんブログ村

ありがとうございました。