天津の雲呑屋で楽しく喋った話。
水墨画留学の時の杭州暮らしをコロナ妄想的に振り返る話が続く。 さて、溥儀さんの住んでた家を見に行った。 これが終わったら、午後すぐに西安に行く予定だ。 とても忙しい。 その前に昼飯を食っておこう。溥儀さんち近くでさがしたけど、食べるとこはなかった。 荷物をとりにホテルの戻る。 スーツケースをフロントにあずけて、近場で食うとこを探す。 「狗不理」へまたいくのは嫌やしなあ。
わしの頭の中には、天津といえば餃子(水餃子)というのがこびりついてる。 はるか昔、出張で天津に来た時、昼飯時間になった。工場近くで簡単にということで連れて行ってくれた餃子屋さん、かどうかわからんけど、他の料理も少しはでたけど、強烈に覚えているのは大皿に守られた水餃子だ。それがまたとてつもなく美味しい。 熱々でフーフーしながらいくらでも食べれる。肉汁がジュワッとして、皮はモチモチ、皮そのものがとても美味しいのだ。寒いところは餃子がうまいと言う。その通りだった。 残念ながら白飯は出ない。この地では、餃子はご飯とおなじ主食扱いなんで、ご飯で餃子を食うというのは主食が被って、地元の人には違和感なのだそうだ。 わしらには全然問題ないし、むしろ欲しかった。
でも餃子屋さんみたいなんは見つからへん。 裏路地を横の入ってみる。 「吉祥餛飩」。いわゆるワンタン屋さんだ。
うらぶれた外観、ひっそりしてるけど、「ここはうまいぞ」と勘がうごめく。
「いらっしゃい」 おっちゃんが元気に迎えてくれた。 さっそくビールをいただく。 暑い1日やったんで喉がかわいてる。とても美味しい。
ごく普通の青島ビール。これでいい。
「サービスだよ」って出してくれたキムチがまた美味しい。 これだけでええよって言うくらいだ。
昆布と胡瓜のサラダ。
珍しい組み合わせやけど味に違和感はない。 とても美味しい。 キクラゲの炒めたんは中国では定番でもある。
ビールのアテにとてもいい。 メインのワンタンが出てきた。
メインというほどのモンではないけど、ワンタン屋さんではメインになる。 とても美味しい。ツルンとした喉越しがわしは大好きだ。 餃子とはまた違う、 皮がとても美味しい。モチモチとかではなくてツルンとしなやかなのだ。 大ぶりの皮に具がちょびっと入っているのがちょうど良くて美味しい。
食べてる間から、お店のおっちゃんが盛んに話しかけてくる。 それができるほど、店は暇でもある。 味が悪いというよりちょっとだけ時間が早いんやと思う。 とても人懐こい、おしゃべり好きなおっちゃんだ。 こんな人、日本にもどこにもいる。 わしらは珍しい、日本人だ。このころは一時盛り上がった半日運動がまだ起きてない頃だった。 幸い、わしは杭州にいる間に、大分喋れるようになってる。 今はもう錆び付いてしまったけど、この頃はわりと絶好調やった。 普段無口で気が弱いわしではあるけど、言葉が通じたら結構嬉しい。つい調子にのってベラベラと喋ってた。 年金の額まで聞いてくる。 しつこく聞き出そうとするけど、そっちはどやねんと言うと、ちゃんと言わへん。 それにしても、わりとポンポン話ができたら、こっちもえらくテンションが上がる。 うれしいなあ。 もっと喋りたい。
- お店の場所? 多分?