懐かしの天津空港。
水墨画留学の時の杭州暮らしをコロナ妄想的に振り返る話が続く。 昼飯を食ったら、まだ中途半端に時間があるけど、どっかへ行くほどではない。
早いけど空港に行こう。
えらい大きい空港だ。
近代的な建物。
天津空港では忘れられない出来事があった。 随分昔の話だ。あの頃は天津空港も日本の地方空港みたい。ちょっとしたバスターミナルやフェリー乗り場みたいな簡単なやつだった。 確か、ここから香港に向かう飛行機に乗ったのだ。順調に飛び出して、水平飛行になる。あの頃は国際線やから酒がでる。ビールを飲んでご機嫌でうとうとする。しばらくしたら降り始めた。 もう着いたんかいな。えらい早いなあ。 早すぎる!! 外を見ると、さっき見た景色によう似てる。 「ええっ? 戻って来たん?」 何やらアクシデントがあって引き返したのだそうだ。 飛行機を降りてまた待合室に戻る。何がどうなってるんかようわからん。 鳥が飛行機の窓にぶつかってなんちゃらかんちゃら・・・ 修理がおわるまで、・・・なんちゃらかんちゃら・・・・</span></p> おいおい面倒なことになったやんか。 見てたら、整備員みたいなひとたちが操縦席下あたりに集まってる。 あの窓にヒビが入ったんやろか? どなんなんねん? 見てたら、なんやらガムテープみたいなんを窓ガラスに貼ってる。 「まさか、あれで窓のヒビを修理してしまうんとちゃうやろか?」、「いくら中国でも、そこまでは?・・・」 なんて、はらはらしながら見てしまう。やがて、機体交換になるから時間がかかるなんてアナウンスがあった。 「いつまで待たせんねん」と腹立たしくはあるけど、テープ貼って終わりにならんでよかったという安心感もある。 まったくもう。なんちゅうこっちゃ。 時間がどんどんすぎる。朝早くの出発の予定がもう昼をすぎてる。まわりの乗客からも不満の声があがってる。 その時、「お弁当が出ますから・・・」なんて放送があって、弁当を配り始めた。 「こんなもん、まずいやつとちゃうの・・」と言い合いしつつ食ってみる。 これがまた意外と美味しいのだ。 口を塞いだら誰もがおとなしくなる。いったん、静まって、しばらくしたら無事出発した。 めでたし、めでたし。
今回はそんなことはなく。あたり前のように1時間ほどは遅れて、無事出発した。
1時間遅れくらいなら、ラッキーといえる。 今回は国内線やからアルコールはでない。
しかし、飯時ではないけどランチがでる。 今回はチャーハンみたいなやつ。
中国の機内食は意外と美味しい。 国内といえど、2時間半ほど、広い国だ。東の端の方から、真ん中ちょいすぎくらいまでやろか。 西安空港に着いた。
ここも大きな空港だ。
市内行きリムジンバスはようわからんのでタクシーに乗る。
おりから、夕方の大ラッシュだ。
混み出したら動かへん。ジリジリ進む。
なにやら古都とは思われへん、雑然とした大都会だ。
ようやく、城壁らしきものが見えてきた。
あれが、かの長安の都の跡なのか。 やっと辿り着いたか。 もうすぐ日が暮れる。