昨年の一番印象に残る旅は、雲崗石窟、五台山と共に、これに引き続いて
行った平遥古城だったと思う。
五台山で手間取って、というよりは最初から無理な日程だったのだが、
数百キロを走って平遥古城についたのは深夜の12時を廻っていた。
郊外からだんだん町に入っていって、家も増え、ホテルもあってという
いつもの到着パターンとは違って、いきなり城壁に到着した。
誰もいない、しんとした雰囲気の中を場内に入っていく。
これが今回の到着だ。すると城壁に囲まれた街が現れた。
あきらかに保存された街だが、雲南の麗江のように造りものっぽくない
いい雰囲気だ。
平遥の朝は早い。
観光も早いが生活も早い。早朝から起きだして店も生活も始まっている。
古鎮での暮らしは、見た目は面白いが、実際に住むとそれ程快適なもの
ではないと思う。
それでも、観光資源というだけでなく、大事に残しながら暮らしていこう
という気持ちがあるように思える。
ここで買ったのは唯一手作りの醋だ。
おぢさん自慢の醋を飲んでみると確かに旨い。
有名な山西の醋だからなあ。
酒と同じで年数が古いほどいいみたいだ。熟成ということなんだね。
端から端まで歩いても三十分程度の小さな古鎮だから。
外からも覗いてみたいものだ。
それで城門を出た。外から見ると、城というか中国映画にでてくるような塞の
形であった。
いかにもといった造りものの観光地が多い中で、こういう自然な古鎮に巡りあえるのは
めったに無い良い機会だったと思う。
これからもこういう旅を続けたいものだ。