雲南省、棚田、少数民族、奇観絶景の旅-23、棚田の見納め

時間を飯で大分使ってしまったけど、それはそれでええと思う。食うことに拘る
のも大事なことだ。で、これから元陽をおさらばする前に、その途中でええ景色が
あったらバスを停めてもらいながら写真撮るなりスケッチするなりしていこうと
決めた。そやから必死でバスの窓の外を見てる。結構首が疲れる。
さっきの棚田で気をよくしたのと、少し霧が晴れかけてるから下におりるほど
ましなんとちゃうやろかと期待しつつバスは降る。

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ええとこがあった。
ストップと叫ぶ。バスはすぐに止まって安全な位置まで移動してからわしらを
おろしてくれる。わしらはゆっくり撮影ポイントまで戻る。

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なかなかええ感じではないか。
晴れてたらもっとずっと奥まで見えててもええはずなんやけど、これくらいの
方が幻想的でええかもしれんとも思う。どこもかしこもじっとりと濡れてるんで
腰掛けてスケッチをする場所がないし、立ってするのもちとせわしない。写真撮っといて
よう覚えとこう。
では、次の場所に移動しよう。

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こんな形だいすきやなあ、絵のネタによう覚えとかなあかん。どこにでも見逃しては
いかんもんがあるんで油断ならん。
次の場所でまた停まる。
光が変わると景色ががらっと変わるから面白い。

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農作業をしてる人も見える。水牛が入ってるとこも見たいなあ。
ちびちび動くのも辛気臭いけど、景色を目の前にするとやっぱり見ときたいという
気持ちになってしまう。
次の場所はちょっとした展望台だった。

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駐車場にバスを停めて、見るのにええ場所を探してると、観光バスが来て停まった。
こんな条件が悪い中で観光して回ってるのはわしらだけではなかったようだ。
数少ないチャンスを求めて同じような行動をしてるらしい。ぞろぞろと一団が
降りてきはった。やっぱりわしらのような爺さん、婆さんが結構多い。別に年齢が
天候を悪化させたわけではない。同病相憐れむなれなれしさで近寄っていって
「どっから来たんですか?」と聞くと「フランスからよ」と品の良いお婆さん、
こう言うたら失礼かな、きっとわしより若い、が答えてくれたけど、「わしらは
日本からですわ」と言いつつ、それ以上の話の接ぎ穂を繰り出すほどの語学力が
ないんでわけのわからんニヤニヤ笑いをしながら引き下がった。

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そんなこんなでわしらの元陽観光は終わった。
次の場所に移動しよう。

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ありがとうございました。