今回の旅の楽しみの一つが朱家花園に泊まる事であった。この家も清の時代に
錫の取引で巨万の富を築いた朱家の豪邸であったのを観光庭園として解放する
と共に住居の一部をホテルとしているのだ。
そんなとこやから目茶高いと思いがちやけど意外と高くない。1泊1部屋数千円で
泊まれてしまうのだ。その上、庭園の見学も宿泊者は無料となる。ええではないか。
部屋の中はこんな感じ、
えらい人になったみたいでこそばゆい感じがする。ベッドの吊り蚊帳がどこと
なく艶めかしい。こんなとこに一人で寝るんはもったいないと思わんでも無い
けど、気がついたらぐっすり寝てしまってた。
夜中に、あやしげな美女がトントンと扉を叩いて訪れてきて、しっぽりと官能的
な夜を過ごして気がついたら墓場の中やったということも経験できへんかった。
しかし、
朝になって、ガイドさんや運転手さんと話をすると、運転手さんたちは、この
ホテルの部屋に入ると何か妖気のようなものを感じて気になって眠れず、とう
とう別のホテルに部屋を換えてもらったという話だった。ここは昔の大金持ち
の家なんでここで暮らす、或いは働く女性の中で不幸な亡くなり方をした人も
あるのだそうだ。そういう霊が来るかもしれんと恐れたということらしい。
聊斎志異に出て来るような世界が今でも中国では根強いんかもしれん。
知らぬが仏とはこのことか?
さすが有料で見せるだけあって庭園はとても美しい。
それぞれの区画に名前が付いていて、それをテーマに竹やら蘭やらが植えられて
いる。
けばけばしいところが全くなくて、品の良い自然なまとめ方がされていて今の
中国的とは一線を画する奥ゆかしさがあるように思えた。
ところどころに飾られている絵や彫刻もとても出来がよい。
老街によくあるちょっとした旧家の建物にある装飾品と出来が違うように思う。
昔の写真もある。
こんな時代の写真がよくあったものだ。絵を描くときの点景にでてくるような
素材がたくさんある。ええもんを見せて頂いた。
怖くて宿を移った運転手さんには気の毒をしたけど良い経験だった。
そう言えば、昔、山西省の太源という街の近くにある「平遥古城」というところ
に行ったことがあって、城壁に囲まれたまま保存されたような美しい街やった
けど、そこにも旧家の豪邸がホテルになったところがあって、やっぱり印象的な
一夜を過ごすことができた。
とても艶めかしい部屋やったけどお狐さんの別嬪さんはでなかった。
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ありがとうございました。