青城山は大きい山だ。全部回っていたらきりがないので、ずるずる横に行かないように
気をつけて下に下にと目指していく。
「下り路は楽なもんだ。熊野古道を経験したわしらにとっては何ちゅうことないで」
と思っていたら、えらいちがいだ。
きつい、きつい。
階段の幅がえらい狭いのだ。段差はたいしたことないが、縦幅がせまいので足をまっする
おろしたら踵がつかえてあぶない。きちんと足を降ろそうと思ったら横にして降ろすしか
ないのだ。という事は一歩一歩がに股で歩いて降りないといけない。
いらいらしてしょうがない。
そうやってちびちび降りるからはかどなないし、疲れる。足が疲れてつりそうになる。
しかも人が一杯だから順番にちびちびと降りないといけない。
「まあしゃあないか」我慢して降りよう。
下り路の要所要所には、道教の修行用のお堂がある。
それぞれ、なかなかいい味の建物もある。
これも殆ど地震で壊れたろうから、修復したものがおおいのだろう。
聞くところによると、青城山の近くに、「又一村」と言う所があるそうだ。
陸游という人の詩にこういうのがある。
笑うなかれ 農家の蠟酒 にごれるを
豊年 客を留むるに 鶏豚 足れり
山重水複 路なきかと疑い
柳暗花明 又た一村
・・・
(陸游詩選 一海知義編 岩波文庫 より)
この中で柳暗花明は有名な4文字熟語になっているが、この次の又一村ということばを
とって村の名前にしたのだそうだ。
詩で謳われたのとは場所が違うが優雅な話ではないか。
現実の場所もきっとええ雰囲気に違いないと思う。
こういうところを探して行けばよかった。
調査不足だ。
なんだかんだと下っていると、ある草堂に行きあたった。
「ついでに・・」と思いながら中に入っていくと、薄暗いお堂の中は何やら雰囲気がいい
感じがする。
暗いがらんどうの土間の奥に灯りがついていて、一人の修行の道士が一生懸命料理を
作っているのが見えた。
「ええなあ」
味のある風景だ。
多分、自分達の賄いの素食(精進料理)を作っているのだろう。
頼んで食べさせてもらう雰囲気もなかったし、場所もなかったのが残念だ。
「こんなとこで食べたかったなあ」
といいつつ更に下る。
「こんな山の中で電気使って食べ物作ってるで」
なんだか興ざめだ。
と言いつつ更に降りて行く。なかなか良い風景のところもある。
予想より早く下に着いてしまった。
こんだけ歩いたら少し腹が減って来た。
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