四川省、ミニSLの旅、芭石鉄道を行くー10、成都に戻って晩飯だ

さて、たのしいSLの旅は終わった。
今回思ったのはこんな事だ。
世の中がどんどんシステム化され、コンピュータ化されていっている。とくに列車の
運行システムなんかはその最たるものだ。そんな中で、メカニックの塊である蒸気機関車
を日々の暮らしの中に組み込んで人間系だけで運行している。
「ええなあ、こんなの」
日々の暮らしの中にエアコンがないのであれば列車にもエアコンは必要ない。
短時間の必要に迫られた移動にゆったりした座席は必ずしも必要ではない。
石炭がある地であるなら電気も必要無い。
必要にして十分な道具を自らの手で丁寧に整備しながらつかっていくという暮らしは
実に見ていて気持ちがいいのだ。
効率、便利、快適などという名の元に、選択肢もなく、或いは選択肢があることすら知らされずに、
実は人間の営みにとっての大事な部分をどんどん無くしてしまいつつある我らの暮らしを思うと
うらやましい暮らしがここにはあるのだと思った。

さて成都に戻ってゆっくり晩飯を食おう。今晩は20時から川劇の予約をしている。が、時間は
充分余裕があるはずだ。
「何食べよ?」、「火鍋かなあ?」、「本格的な四川料理がええで」・・・
楽しみは膨らむばかりだ。
ところが、高速を降りて、成都の中心部に近づくにつれて渋滞がひどくなってきた。
どんどん時間が消えていく。
「もうどこでもええわ、麺みたいな簡単なとこに連れてって」と運転手に頼む始末だ。
しかも雨が降って来た。えらい局部集中豪雨だ。
「もう何でもいい」、「けどおいしいとこ連れてってほしい」
わがままなだけだ。
着いたのは、「龍抄手」という店だ。前に成都に来た時も、このチェーン店に来た。
美味しくて有名な店だ。
後でわかったのだが、抄手というのはワンタンの事だった。
ワンタンがメインの小吃屋さんだ。

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店の中は余裕があるようで、席が無い。
4人一組のテーブルと椅子が固定式になっているのだ。
5人以上は一緒には座れない。
「何や、けったいやなあ」

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入り口入ってすぐのところにカウンターがあって、背中に大きなメニュー看板がある。
それを見ながらチケットを買うのだ。それで席で待っていたら料理が運ばれてくるという
しかけだ。
しかし、もうあんまり時間が無い。外は大雨だ。
うかない気持ちで慌ただしく注文を決めたら、結局は似たようなものばかりになって
しまった。

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それというのも「抄手」と名のついたものがこの店の名物の麺だとばっかり思いこんで
しまったのが間違いもとだった。
「まあしゃあない」
酸辣抄手ってこんなんだった。実はなかなかおいしい。

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野菜は胡瓜と苦瓜。

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炒飯は安心して食べられる。

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こんなとこにある。


より大きな地図で 成都/龍抄手 を表示

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