ご飯を食べているうちに雨が小振りになってきた。
さあ、いよいよ楽しみの川劇を見に行こう。
川劇というのは、簡単に言えば歌舞伎のようなものだ。
中国では京劇が一番有名だが、それぞれの地方にいろんな古典芸能として歌舞伎のような
ものがある。その四川省版が川劇というやつだ。
ずっと前に成都に来た時に一度見に来たことがある。しかし、それはどうも「ちゃっちいなあ」
という印象だった。それで川劇ってあんなもんかという先入観を作ってしまっていた。
その後、友人が成都に来て、「えらいちゃんとした川劇をみて感動したで」と言う話を聞いた。
それが、「蜀風雅韻」というところでやる川劇だったのだ。
聞いて見るとやはり、ここが成都で一番の川劇なのだそうだ。
小雨の中、玄関に向かうと大勢の人が集まっている。やはり欧米からや日本からの観光客が多い。
中に入っても前の方はびっしりと観光客で占められている。
まもなくすると、各人の椅子の前にある小さなテーブルにお菓子が置かれた。
そして順番に茶がふるまわれていく。あの四川流の細く長い首の茶瓶から茶を注ぐやつだ。
暗くて狭い劇場内だからそれほどのパフォーマンスはやらないけどね。
場内が暗くなり演劇が始まった。
豪華な衣装、派手な動き、隈どりした顔、日本の歌舞伎によく似ている。
見栄の切り方もそっくりだ。
と言うより、歌舞伎の原点が中国演劇と言うわけなのだろう。
音楽の演奏がある。
人形劇がある。
信じられない程の影絵の至芸がある。
これは又、たかがチャルメラというなかれ、甘く哀しく、嫋々とした音色が美しい。
お笑い掛けあい芸もある。
これまた絶妙のお喋りの掛け合いなんんだろうが、残念ながら言葉が理解できない。
夜な夜な麻雀で遊び暮らす旦那と、その旦那にきついお灸をすえる奥さんとの掛け合い
漫才だ。蝋燭芸が楽しい。
それで最後はいよいよ変面劇だ。
はっしはっしの立ち回りが最高潮に達した時、突然、「ぐわーーーーぉ」と火を吹く男。
ひらり、ひらりと刀をかわし、中央で見栄を切ったその瞬間、顔がさっと変る。
しゅっと首を縦にふると、一瞬、顔が又変る。
「こいつはすごい」
前に見たのよりは、はるかにすごい。瞬時になんども顔の面が替わっていくのだ。
やっぱり成都一と言われるだけあって、「蜀風雅韻」の川劇はすごかった。
見に来てよかった。
けど、さすがに今日は疲れたなあ。
場所はここです。
より大きな地図で 蜀風雅韻 を表示
ブログランキングに参加しています。もしよかったらポチンとお願い致します。
にほんブログ村
ありがとうございました。