北京到着は友人達と便は違うが殆ど同じ時間だった。ターミナルも同じだから簡単に合流できた。
「とりあえず両替しょうや」何はともあれ軍資金が必要だ。北京の場合いつも3階の出発ロビーJALカウンター
の横にある中国銀行に行く事にしている。所謂空港の外貨両替所ではなくて普通の市中銀行の支店だから
交換レートも市中と同じだ。店に入って、「両替したい」と言うと、「あっちの窓口に行け」と言う。
ずずっと左の端まで移動すると窓口の前に男が椅子に腰かけていた。どう見ても職員ではない。
でっぷりとお腹までお金で埋まってそうなおっちゃんだ。
「幾ら換えたいんや」と聞く。それで、「今日のレートは○○で50元の手数料を引かれてこうなる」けど
「わしが換えたら手数料いらん」と電卓をたたいて見せながら言う。
「大丈夫かいな?」と思うが、銀行内部にとがめらるどころか堂々と座ってるし、交換となったら、
大きく膨らんだ鞄から人民元を取り出して銀行の機会で数えさせている。
「それなら偽もんでもないやろ」と思いつつ、釈然としない(???)も残りつつも交換した。
手続きは不要だし、手数料いらんし楽と言えば、楽この上ない。中国って裏と表がわかりにくい。
旅慣れた人は普通どないしてるんやろ?
さて、一旦ホテルにチェックインだ。ホテルは観光に便利な王府井にある格安チェーン店をとってある。
日本からネットで予約できるので実に便利だ。
王府井まではタクシーで一時間弱で行けるはずだ。地下鉄で行ってもいいが、人数が多いとタクシーの方が
安くて速くてらくちんだ。大体80元くらいでいける。
空港から市内までの道は快適だ。しばらくは樹林帯が続く。高速道路の見てくれを良くするためだけに造った
のか厚みは薄いが背が高くてしゅっとした緑の列が綺麗だ。
しかし、良く見ると綿のようなもやもやがふわふわしている。走れども走れども路上を漂っているのだ。
「柳絮(りゅうじょ)というやつやで」、「北京の風物詩やねん」とわしは知ったかぶりをする。
此処にある木は楊樹というそうだ。楊柳という人もいる。ポプラの一種と言う人もいるし、柳の一種という
人もいる。わしにはようわからん。それはともかくこの木の種子に綿のようなものがついていてこの季節に
空中に吐き出すのだそうだ。
まるで雪が舞っているかのようだ。
樹林帯を抜けると高架がしばらく続いて5環、4環、3環と北京の中心を囲んで何重にもある環状道路を内側に
通り抜けながら市内に入って行く。
北京の市内は街路樹が綺麗だ。整地された大きな車道には広い歩道がついていて街路樹がもれなく植えられて
いる。柳が強い風になびいている。
ここでも柳絮が舞っているということは楊樹だけでなく柳も柳絮をはきだすのだろう。
北京名物のトロリーバスが走っている。
北京の路地裏、胡堂(フートン)を縫うように小型のバイクに箱をつけたような小さなタクシーも走っている。
胡堂の中からリヤカーを付けた自転車が出て来る。
果物や野菜を積んだ自転車が走っている。
こういう街角を柳絮がふわふわといくらでも湧いてくるかのように漂っているのが北京の春なのだ。
「なかなか風情があるやんか」とばかりも言うてられへん。
「はくしょん、ぐちゅ」、花粉症がある泥魚(でい)の鼻はもうぐしゅぐしゅなのだ。
北京の春は「眼もかゆい」
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