あちこちで賑やかなお喋りが聞こえる。
外で並んでいる人が中を覗き込んで、客の皿を指差し、店主に料理の名前を聞いている。めぼしいものを見つけて注文する為だ。
こういうのは初めての店でもおいしものにちゃんとありつくための常道だ。
我々の料理も殆ど指差された。ちょっと自慢ではあるが、ネットで事前に調べただけの事だ。事前に知っていたわけではない、本当は自慢にならない。
店内は4~6人座れるテーブルが6個くらい。相席して詰めているわけではないから10数人というところだ。外では3~4組の客が待っている。
それ程美味しいという事だろう。
それでも不思議な事に予約は受付てくれた。実際は30分程早く来てしまったので意味はなかったが、「いいですよ」との事だった。
予約どおりに来たらどうなっていたのか、興味はある。
多分、外の待ち行列に少し割り込みをさせてくれるのかもしれない。
店の名前は「蘭心餐庁」、老上海のホテル、「老錦江飯店」のちかくの目立たない裏通りにある。
この界隈、日が暮れると、ちょっと味がある。
最初の皿は、この店のお勧めだという、「紅焼??」という豚肉の角にみたいなもの。上海料理の定番みたいなものだけど、醤油味が濃厚にしみて、豚肉がとろとろになっている。おいしい。ご飯に合う。
同行の友人がご飯も頼んでがつがつ食べていた。
次は、「干焼昌魚」、カレイを揚げたのに濃厚なタレがかかっている。これは、私の好みにあってすこぶる美味しかった。
これは、「油爆蝦」、とりあえず蝦の唐揚げ。
あっさりとして、なかなかいける。
「醤鴨」、鴨肉料理、他のが濃厚なので丁度好い。
この野菜料理本当に美味しかった。
ブロッコリーと椎茸、それに麩?(味は全く麩そのもの)を煮込んだもの。想像できない組み合わせだが、程よい濃さと歯ざわりの変化がなかなかのものだった。
店長のメモは解読不能だったので名前は不明。
ディープな老上海料理を始めて食べた。
味が濃いので、いつもいつもは食べられないけど、なかなか味のある料理とレストランだったと思う。