四川省、楽山大仏、峨眉山、蜀の桟道の旅-21

前海は凍っていた
成都に行く前の上海はものすごく寒かった。それでテレビを見ているとあちこちが雪の
予報だ。もちろん成都も雪だ。北京も雪だ。
「どうしよう」と思いながらも成都に行ったら、峨眉山で氷雪に遇った。寒い事は
寒かったが、天気がよかったので、凍える思いはしなくてすんだ。
しかし、北京の冬は寒いと思っているので、「いややなあ」と思いながらだった。
確かに寒い。しかし心配したほどではない。
さて、それでは映画「胡同の理髪師」に出ていた「東興順爆肚張」というモツ屋に
行って見よう。映画では前海のほとりにある感じのよい店だった。一度行ってみたいと
前から思っていたのだ。
住所を見ると前海東沿とある。タクシーに乗って聞いても知らんというので、前海の
入り口で下ろしてもらった。
前海というとは、紫禁城の北にある広大な堀のような池のような湖のようなものだ。
まわりに胡同がたくさん残っていて、絶好の観光地になっている。
さっそく人力車のおっちゃんたちがあつまってきて、「どこへ行くんや、乗れ、乗れ」
というが、「すぐそこやから」と断る。
普段なら観光客が多いところだが、今日は寒いせいか殆ど人がいない。
もしかしたら噂に聞いた寒中水泳をしているあやしいおっちゃん達がいるかもしれない
と見ていたがいなかった。
寒中水泳は更に北にある大きな后海でやっているだけなのかもしれない。
随分歩いたがまだ店は見つからない。
よく見ると、池はすっかり凍りついている。
これではいくらなんでも泳ぐのは無理だろう。凍った池の隅の氷の割れ目に鴨が集まっている。
そのそばで一羽の鴨が氷の上をひょこひょこ歩いている。
氷が余りにも冷たいのでつま先だって歩いてるみたいに見える。
そんなはずはないのだが。
ぐるっと半周してやっと店を見つけた。

今回の旅行記も一応これでおしまいにします。
後はいつものブログに戻ります。残りの話はその中で思い出しながら書いていきますので
よろしくお願いします。

tori091220-1 tori091220-2 tori091220-3