水墨画留学の時の杭州暮らしをコロナ妄想的に振り返る話が続く。
昼飯だ。
さて、青龍寺を出たら、まだ雨が降っている。来た時よりは少なくなって、ドボドボの水たまりではなくなってるけど、歩きにくい。
昼飯の時間は少々過ぎていて、腹はだいぶ減っている。
今日は、昼からも一杯行くとこがある。ご飯は簡単にしたい。
そのへんの街角食堂みたいなとこへ行きたいって、ドライバーさんに言うと、近くに丁度ええとこがあると言う。
最初からそのつもりやったみたいやけど、それはそれで良いのだ。わしらも好都合。
中国のイスラム料理。
やっぱり西安は清真料理(イスラム料理)の店が多い。
中国にはイスラム族の人がとても多いんで、ほぼ、どこ行っても清真料理を見つけることができる。
西安に来て見てば、やたらこういう店が目立つ。
何と言うてもシルクロード出発の地点だ。 しかも美味しいし、メニューにも特色があるみたい。
とても楽しみだ。しかし、難点が一つある。
豚肉が食えないのは何の問題もない。牛肉もあれば、羊肉もある。羊肉は特に美味しい。が、酒が飲めない。
これって大問題だ。自分達が飲めないのはええやろけど、イスラム教に関係ないお客にも出さないのだ。
中には、少々ゆるい考えの人たちもいると見えて、お客には出してくれる店もあるけど、普通はダメだ。
中国はまだ、他に行けばいくらでもイスラム教徒関係ない店があるんでそんなに不便を感じへんけど、マレーシアやインドネシアに旅したときは大変だった。
朝はともかく、昼なら、特に夜は、飯食う時に酒も飲みたい。
飲みたい、飲みたい。
それが、できへんことがある。しかもほとんど街中走り回っても見つからへんことがある。
それが当然という街の空気だ。
ネット情報をいろいろ探って、美味しい料理、珍しい料理をやっと見つけて、さあこれからと意気込んだとしても、お酒無しはつらすぎる。
こういうとき、持ち込みありというええ話に出会ったことがある。
ミャンマーで。中国で。タイで。
そういうのがアリやと嬉しいね。
お店に入る。
ともかくお店に入る。
美味しそう。
肉団子を食わせる店みたい。それも牛肉みたい。
ええ感じだ。
それで、お酒は? いける。 ラッキー。
ビールをいただく。
なぬっ、生のニンニクがゴロンと置いてある?
これってどやって使うの?
実は、初めてではない。
中国の東北の方、瀋陽などに行った時、寒い中、ローカルなお店に入ったら。
こんなやつがあった。東北は-30度以上にもなる土地柄なんで、餃子なんかを食う時には、ラー油や辛味噌なんか軟弱なやつをつけずに、生のニンニクを丸ごとガブっとやりながら、熱々の水餃子をパクリとやるのが常なのだそうだ。
いやはや、豪快ですなあ。
しかし、ここでもこれがあるのはどうなんや? まさか生で齧れと言うのか。
試しに一粒、生で齧ってみたけど、辛くて臭くて大変だ。
わしらには無理だ。
わしはら、名物らしき、牛肉団子的な煮込みをいただく。
とても美味しい。
ご飯のかわりに蒸し饅頭みたいなやつをいっしょにいただく。
なかなか面白い組み合わせだ。
西域的な食べ物なんかなあ? 中国的ではないけど美味しいなあ。
面白いもん食えた。
禁断の酒も飲めた。うれしい。
ご馳走さんでした。
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青龍寺の地図。お店はこの門前。