熊野古道の旅、中辺路をちょろっと。−09、水飲み王子へ。

水飲み王子へ。

こうして山の中を1人で歩いてると、気楽でもあり、寂しくもある。
時々、蛇なんかが出てきてぎょっとする。わしは蛇が嫌いというか、怖い。
毒蛇やったらなお怖いけど、見ただけではその違いはようわからん。
時々出会うのはちっちゃいやつが多いけど、ちっちゃいほうが、毒蛇の可能性が
あるんでよけい怖い。
それよりは、熊やイノシシの方が本当は怖いんで、今回から、熊よけ鈴をつけることに
した。結構リンリンとうるさいけど、人はいないから迷惑ではないやろと思う。
人がいたら恥ずかしい。
今どき、こんなとこで熊なんてって言うかもしれんけど、そう安心したもんでもないと思う。
ニュースでも時々出現してるし、現に、3年ほど前、熊野古道、小辺路を歩いた時、
わしらは出会えへんかったんやけど、30分ほど先を歩いてた、フランス人のトレッカーが
同じ宿に泊まってはって、食事の時に、熊野母子に出会った話を教えてくれた。
なんと恐ろしい。
その女性がずっと熊鈴をつけてはったんで、わしも、次回からはつけとかんとあかんなあって
思ってた次第だ。

1人の時は、ヤブの中でガサって音がしてもギクッとなる。
今回は、中辺路道、けっこう道が広いんで少々安心かな?
樹間の道を歩くのは気持ちが良い。

そして、熊野古道を歩く楽しみの一つは、時々ひょっこりとお地蔵さんに出会える事だ。

いろんなお地蔵さんがいる。
小辺路は観音様が多かった。
小さくても千手観音を模したものが多い。
中辺路はどうなんやろ?
と見てたら、少し違う。観音さまではなさそうやけど、素朴なお顔の小ぶりの
石仏が時々現れる。
とても良い。

心安らぐ時だ。
一礼して、道中の無事をお願いする。
まだまだ先は長い。
さて、水飲み王子まできた。

お茶を飲んで一服しよう。

まだまだ先は長い。
おや、この道はどっちへ行くの?

 

 

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ありがとうございました。