海
から鬼ヶ城を見る。
さて、船は出発した。
船内では、録音音声ではあるけど、風景の説明が流れているのでわかりやすい。
船はまず、鬼ヶ城を目指す。
さっきまでわしらが見ていた奇岩の地をこんどは海側から見るのだ。
なるほど、視点が変わるとまったく変わるものだ。
まず、道を歩いていきなり現場に入っていくのと、遠くからジワジワとアプローチ
していくのとは最初から印象がちがう。
陸の景色は、動線に従って、見え隠れするものがあって、穴からひょいと出た時の景色、
断崖の上にこわごわ立ったときの景色など、いろんな変化が楽しめる。
十分にそれを意識した人工の庭園ではなくても、自然の変化が面白いと感じられる。
海から行ったら、感想は全く変わってしまう。
遮るものがない全方位の景色が眼前にあって、超遠景からじわじわと近寄ってくる。
風景が変化することは殆どなくて、ただ、少しずつ大きくなっていくだけやのに
何故かじっと見てしまう。
さいしょはぼんやりした岩山やったのが
だんだんと大きくなって、奇岩、奇石の集まりになってくる。
面白い。
もう少し大きくなる。
だんだんと人の姿が見えてくる。
最初はようわからんけど、大きくなったら釣りをしてる人やとわかる。
あっちにもこっちにも、予想外に沢山ひとがいてる。
現場にいて上から見てる時は気い付かへんかった。
ようみたら釣りにはとても良い岩場やんか。波が怖いけど。
こんなとこにどやって行くんやろ? 上から降りるのは怖すぎる。
漁船に運んでもらうんやろねえ?
何が釣れるんやろ?
ええなあ。
次は楯ヶ崎の柱状節理を見に行くのだ。
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ありがとうございました。