コロナ日和の日々、妄想の旅に出る。麗江、シャングリラの旅−22。妖しい薬屋。

妖しい薬屋。

さて、チベット寺院へ行きたいけど、行きたくない。ではどうしよう。
運転手さんに聞いてみると、チベット仏教の教えにもとづいたような漢方の薬を
調剤してくれるところがあるという。
妖しそうやけど興味あるなあ。
てなことで行ってみる。なるほど妖しい。
チベット民俗の住居の一角にある掘っ立て小屋みたいなところ。
奥まった部屋に通された。
なんとなく占い師のいる部屋みたいだ。というてもわしは占い師のとこに行った経験は
ないけど、映画なんかでよくでてくるやつだ。
白っぽい服を着た巫女さん風の女性が向かい側に座る。何の飾りもない部屋に二人きりだ。
言葉がようわからんから結構不安ながらお話を聞く。
白い布を敷いたテーブルに向かい合わせ。初老の女老師はえらいもったいぶった低い声だ。
机の上には難しい本が載って、ややこしい絵柄の図が目の前にある。
わしの語学力は実に貧しいもんやから、心配したとおり細かいことはあんまり理解できへん。
まず、わしの問題点を言う。
この頃は、肩が凝って痛くてしょうがなかった。腰痛もある。血圧が高い。
こんな感じだ。
歳はいくつ? 生まれや育ちは言うてもわからん。
それだけ聞いたら、ちょっと考えるふりをして?
いろいろ説明を始めた。
どうも天の声を聞かんとあかんらしい。
言うてはることは殆どわかってへんから妖しいもんやけど。
天の声に従って、いろんな組み合わせを考えていく。
あれがあれで、これがこれで、ムニャムニャがムニャムニャで・・・・
なにやら有り難い、有り難い。

チベットの仏教は密教みたいなやつで結構特殊な気がする。
妖しげにからみあった男女交合の図があったりして結構濃密だ。転生輪廻の色も濃厚で
死生感がわしらとはかなり違うんではなかろうか?
仏の世界ではあたりまえなのか? その感性が体の仕組みを深く捉えて、山野に生息する
薬草を巧みにつかって、コントロールできるんやろか?
彼女は自信たっぷりだ。
区切り毎にドヤ顔されても、殆ど理解できてへんから、恐れ入ってニヤニヤするしかない。
なんとなく処方が固まってきたようだ。
ちょっと怖い。
お金が。
更に聞いてると、ここには何度も来られるわけはないんで、まとめて買っておくという
ようなシステムなんか、しきたりなんか、そういうもんらしい。
何年分を買っておくかという話になりそうになってきた。
これはなんとなくヤバい気配ではないか。
あんたの病気やったら10年分くらい要る、なんて風に聞こえる。
わし、そんな病気ちゃうし、と思う。
これはまずい方向ではないか、さっさと逃げ出そうと、決心する。
興味はあるけど、具体的な値段なんかは聞くのを避ける。
改まって、大変良い話を聞かせてもらったけど、いまのとこおたくの薬は必要
ないんで、これにて失礼すると丁重にお断りした。
いくばくかの見料をお支払いして早々に退散。
いやはや、わけわからん。
もしかしたら、あの薬を飲んだら、たちまち、高血圧やらは吹っ飛んで、
肩凝りや腰痛もどこへやら、空を飛ぶように軽やかに帰れたかもしれんけど
やっぱりやめといてよかったと思う。
いったいどんな薬を処方してくれたんやろねえ。
見るだけは見たかった。
まあ、買わんかったと言うて、こわいお兄さんが出てきて脅されるということでは
なかったんで一安心。
シャングリラもこれくらいにしといてやろうか。
おさらばしよう。

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ありがとうございました。