中国、廬山&安徽、文房四宝の旅−52、安徽、屯渓老街の「楊文筆荘」で筆を買う。

安徽、屯渓老街の「楊文筆荘」で筆を買う。

さて、オッチャンの勢いは止まらへん。

わが道を、得意満面で突っ走るすがたに圧倒されてしまう。
因みに中国の職人さんって顔のでかいひとが多いんかなあ? 知らんけど。
材料の話が一通り片付いたら、こんどは筆作りの話だ。
毛をどうやって選別して、どう切って、どう揃えて、どう束ねるか。
ここの根本でこうやってしばったら絶対はずれへんのやで、どや触ってみい。
こうやって作った穂先はぜったいにバラけることはない。
どんな風に筆を操ってもきちんと穂先が追随するんやで。
なるほど、そうか、それはわかる。
羊の毛だけで作るとは限らへん。芯の部分に別の毛を入れることもある。
イタチの毛の筆も又然り。
用途によって中央が硬めの方が使いやすい場合がある。
なるほど、そうだ。
高原の羊と平地の羊ではこういう違いが出る。
北のイタチと南のイタチではこうなる。
なるほど、わからん。

こんな動物の毛はこんな使い方をする。
なるほど、わからん。
なんやわからんけど、良さげだ。

てなことで圧倒されたまま、買い物モードに突入。
当然ながら試し書きをさせてくれる。糊で固めた穂先を水でほぐして、墨の代わりに水をつけて
専門の試し書きパッドに実際に書いてみる。紙に書くのと全く同じというわけではないけど
ほとんどの感覚はわかると思うし、わしらのような半素人は違いすらようわからんのだ。
今までの説明で盛り上がった気分のまま、ベタ褒めの最上級から試してみる。
確かに違う? ほんまに?
2番手と比べて、違いがわかるかと言われると微妙な感じ。
それにしては値段がかなり違う。材料と手間を考えるとそれは理解できるけど、値段の
違いほど使い勝手に違いがあるのかどうか? わしらには判断が難しい。
お値段もなかなかのモノだ。
確かに日本で買うと良い筆は1本1万円以上は軽くしてしまう。
中国の筆専門店で買うとちょっと良いやつで1本2000円もだせば十分だ。しかし、ここのは
日本のに迫る勢いだ。
それほどええんかと思ってしまいつつ、一応、太いのと細いのと1本ずつ買ってしまった。

使い込んだら違いがわかるんかもしれん?

わしの筆感。

わしは筆は消耗品やと思ってる。使い方が悪いんか、買うた筆が悪いんか大体1年くらいで
へたってくる。先が擦り切れてまとまりがわるくなるのだ。調子に乗ってダイナミックに
使いすぎかもしれん。そうなると、細い線が書き辛くなるんで新しいのを買わんとあかん。
そんなにしょっちゅう高いモンばっかり買うてられへんから、中国でそこそこええと思うのが
2000円弱くらいで買えるのがとても有り難くて重宝してる。
たまにこういう高級品を買うのもええんやけどやっぱり消耗品なのだ。

てなことで皆さん思い思いに筆を買い終わって表にでると、もう老街は夜の雑踏が始まってる。

ちょっとブラブラついでにお土産に菊茶を買うひとに便乗する。

途中でお菓子も買おう。

当然の事ながら試飲がある。わしは買わへんけど買う人がおるから胸を張って試飲さして
もらう。

とても美味しい。
買わへんけど。
ご馳走さんでした。

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ありがとうございました。