中国、廬山&安徽、文房四宝の旅−51、安徽、屯渓老街の「楊文筆荘」へ行く。

安徽、屯渓老街の「楊文筆荘」へ行く。

さて、石家村はとても良かった。なんとなく小桃源に来たという気持ちにさせてくれた。
それに釣りのおじさんも気になる。途中で見つけたら是非現場を拝見したいものだ。
なんやかやと名残おしいけど次に向かう。
というか、宿の有る屯渓老街まで戻って楊文という人の工房兼お見に行って筆づくりを
見させて頂くのだ。
さて、車は一路屯渓を目指す。
もうわかりきった道らしくスマホナビを出すこともない。どんどん走ってはる。
あの可愛そうなワンちゃんがいるPAを通ることもなかった。
話すネタもないまま居眠りしながら走る。ところどころで道がチェンジして料金所が
現れる。例のスマイルキャンペーンがこんなとこまで浸透してて、満面の笑顔で
スマホタッチで決済対応してる。
わざとらしさも慣れたら満更でもない。うそでもほんとでも笑顔はエエもんだ。
てなことで屯渓老街に着いた。

午後すぎの賑わいを見せる老街のなかを歩いていく。唯の土産物屋街ではあるけど
そこは安徽省、文房四宝の店が多いのが他と違うところだ。筆の専門店、墨の専門店、
硯の専門店、紙の専門店などそれだけで商売が成り立つんかいなと思うようなジャンルでも
ちゃんと専門店があるのがすごいとこだ。
中程をすぎたとこに筆屋さんがあった。
「楊文筆荘」と書いてある。
なんや普通の筆屋やんかと思ったら奥の方に案内される。
奥の方に説明用の素材や道具を用意してくれてあったようだ。

さて、またまた独演会が始まったかな?
まずは筆に使う毛の話。

柔らかいのは羊の毛、硬いのはイタチの毛、用途によって色々ある。
羊の毛と言ってもピンからキリまで様々で、どこそこの山の上のなんとかいう羊の
どの部分の毛が何故ええか、ええやつはこんなんやで、まあ触って見い。
こんなふうに滑らかにしなるんや。悪いやつはこうはいかん。
こっちの羊はどこそこのどの毛をつかってて、これの特徴はこうなるんや、なんて
微に入り細に入り説明がある。

イタチの毛って言う手も普通のイタチとは違うみたい。中国では狼って表現されているけど
もちろん狼ではない。なんか、イタチに近い動物のようやけどようわからん。
これもまた、北の方に住むやつはこんな風で南のやつはこんな風や、その動物の
どの部分の毛をつかったら一番ええのができるのか? それは何故なのか?
これまた微に入り細にわたり克明に教えてくれる。
喋るたびに興が乗ってきて唾が飛ぶ、じっさいは飛ばへんけどそんな勢いだ。
こっちもフンフンと身を乗り出すけど、後になったらすっかり忘れてるから面白い。
他にも動物の毛を使う。

こういう動物はこんな用途に、こんな動物はこんな用途に、毛の場所にも、動物の
住む地域にも、違いがあるらしい。
聞いてるあいだはフンフン確かにと思ってしまう。
どんどん惹きつけられるとどんどん買う気になってしまう。
バナナの叩き売りとちゃうから、向こうは売るのが目的で載せようとしてるんではない。
説明をしてもらうために料金まで支払ってる。
そやけど自然に熱が入るのは停められへん。
それでも販売タイムが楽しみになってきた。

日本でも筆や墨を売る専門店で売るおっちゃんや爺さん、婆さんから滔々と能書きを
聞いた事があるけど、モノに作る人からその拘りを聞いたのは初めてだ。それだけで
えらい新鮮だった。

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ありがとうございました。