中国、廬山&安徽、文房四宝の旅−23、江西/安徽、婺源県、月亮湾、名残惜しい。

婺源県、月亮湾、名残惜しい。

さてわしらもゆっくり景色を眺めている場合ではない。スケッチをしよう。小雨の中で
スケッチブックを取り出す。傘をさしながらやから不安定やし、さしたからと言って
濡れへんわけでもない。すぐにベタベタしてくるけど濡れが広がるより早く描いたら大丈夫だ。
基本はその風景と気分とをよく見て覚えておくことなんやけど、カメラで撮っておいたりして
その補足をすることも大事なのだ。しかし、一番ええのはちゃんんとスケッチしておく事、
後で書くのがとても楽になる。
それはええけど描く方に集中したら体が濡れる。傘をちゃんともったら描きにくい。
まわりの人が見に来る。恥ずかしいけど早く描いてしまおう。
湾になってるラグーンのとこだけでなくて体を左にむけるとこっちもとてもよい風景だ。

川辺には遊覧用かな? 小舟が何艘か繋がれている。
夕闇の中に溶けそうやけどその風情がカッコええ。

向こう岸の奥の方の村の家々のしっくいの白壁が古くはないんやけどこの風景に対しては
ええ味を出している。
その奥に見える雨霧に烟る山並みの中に溶け込んでいく。
まるで水墨画みたい。

わしらがスケッチしてる横では中国の人たちがパシャパシャと写真撮影をしてる。
それにしてみなさんええカメラを持ってはる。巨大な望遠レンズをつけたやつを三脚に
はめてドヤ顔で。
カメラはキャノン。何故か知らんがキャノンが人気だ。ニコンやソニー、ミノルタなんて
言うても相手にされへん。No.1が大好きなのだそうだ。本当にNo.1って信じてる、理解してる
納得してるというのとは別の話で、世間の評判、つまり売上No.1がNo.1なのだ。
しかも日本製。
ようわからん。けどなんとなくわかる。

中国では今写真ブームなんやろか?

最近中国を旅行していてこういうのをよくみかけるようになった。特に絶景ポイントと
言われるところでは目立って多い。沢山の人が高価なカメラと三脚片手に、いや両手に
あちこちに沸いて出る。看板を見たら、絶好の撮影ポイントやとかカメラマンの宿とか
いう謳い文句をよく見かける。他人がええカメラを持ってたら必ずチェックしに来はる。
他人の柿は美味しい柿だ。

中国では椅子ひとつでやれるええ商売があって。

絶景ポイントに行ったら、かならずそういう人がいて、10元ほどで椅子を貸す商売が
あるのだ。確かにその椅子に乗ったら柵や塀があって見にくい景色が絶景に変わるんで
値打ちはあることはある。しかし其の場所が其の人のもんやというのは誰が決められるん
やろいつも不思議でならん。それでもなんでも銭にしてしまう根性は見事なもんやと
思う。
幸いこの場所では椅子商売のおっちゃんおばちゃんはいてはれへんかった。

向こうのほうから手漕ぎの舟が帰ってくる。

手前にも船着き場がある。

時間があったらここで遊覧するのもええ感じなんやろなあって思う。

しかし、日が暮れる前にもう一箇所まわるのだそうだ。忙しい。

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ありがとうございました。