中国、浙江省、古村の旅ー48、皤灘古鎮へ。

高迀古村の見学が終わったし、すっきりもしたんで、今日の予定は終わり、杭州へ
帰ろうかと思ってたら、ガイドさんが、ちかくにええ古鎮があるのを見つけたんで
杭州に着くんが若干遅くなるけど寄ってみませんか? と言ってくれる。それは
面白そうだ。それはどこやと言うと皤灘古鎮というとこやという。
また今までみたいに観光化が進んでない、言わば桃源郷みたいなとこに行けるんやろか?
ちなみに桃源郷ってよく使われる言葉やけどその起源をさぐれば、陶淵明という詩人の
「桃花源記」という詩に行き当たる。
陶淵明と言う人は紀元365-427頃の人であの三国志の時代のあとにできた東晋という
国の人だったらしい。「帰去来辞」や「飲酒」詩で有名な人だ。

晋の時代、武陵に住む漁師が渓の奥深くで道に迷い桃花の林に行き当たった。
不思議なことに雑木などは生えてなくて香りの良い草が生い茂り綺麗な桃の花が
散らばってる。いかにも天然のものではない。不思議に思った漁師が更に奥に
進むと水源が絶えて小さな入口の光が見えるので中に入った。狭い中をどんどん
奥に進むといきなり広いところにでた。平らな土地に整然と整った田圃と家々、
桑や竹が植えられ、鶏や犬の鳴き声が聴こえる。男女の衣服はまったく外人の様で、
白髪の人もお下げの人も生活を楽しんでいる。
漁師を見つけた村人が驚いてどっから来たんか、まあ酒でも飲め、これを食えと
大歓迎だ。わしらははるか秦の時代に戦乱をさけてここにやってきて、ここに隠れ
住んでもう何世代にもなるんや。あっちの世界はどうなんや教えてくれとあっち
からもこっちからもやってきて大歓待。
しかし、数日居てもう帰るというと、ここのことを言うたらあかんでと釘をさされ
ながら舟まで案内してくれた。
漁師は念のために道標をつけながら帰って、郡の長官に報告してしまった。
さっそく探したけど見つけられない。
われこそはと行ったひとも見つけられない。
それから誰も見つけた人はいない。

こういう話を長詩として描いてるのが「桃花源記」なのだ。

わしらはこの旅でそんな大層なことに出会ったわけではないけど、何処の村も、生活の
必要以外は殆ど改修や作り直しはしてなくて古いものを大事につかいながら昔ながら
生活を送っているように見えた。
それは、結構得難い経験やったんやないかとふとこの長詩を思い出したのだ。

てなことで皤灘古鎮へ辿り着いた。

なかなかエエとこやと言う予感がする。

山の形もとても面白い。こんなとこなかなか無いような気がする。

不思議な通路を通って村に向かう。

着いたところは石造りの素敵な村だった。

さて、どんなとこなんやろ?

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ありがとうございました。