民謡のような舟歌のような独特の歌があちこちから聞こえてくる。船頭さんが
歌っているのだ。
ここの遊覧船は藍色の上着を着た船頭さんが櫓で漕ぐやつで、1艘に数人ほどが
乗る。屋根の藍色の幌も風景に似合ってる。
とろりと哀愁をこめたような歌が面白いけど、わしらの舟の船頭さんは歌わな
い。歌ってよって言うと、何やわからんことをもにゃもにゃ言う。方言がきつ
いんはわしの中国語の聞き耳がどぐさいんか何を言うてんのかようわからん。
けど、どうも歌うなら15元くれって言うてるみたいだ。中国語はわからんと言
うそぶりをしながらも雰囲気で歌って、歌ってと盛り上げたんでとうとう歌い
始めた。あんまり上手やなかったけどこれも流れでしょうがない。
降りてからお金の話になって、とぼけてたけどそれも大人げないので支払った。
舟からの景色は陸上で見るとの又視点が違って面白い。
裏口から他所の家を覗いているような気分にもなる。
裏には裏のドラマがありそうで面白い。
あのおばあちゃん何考えてはんのやろ?
まさか、ここで晩飯の野菜を洗てはんのちゃうやろなあ?
ここは周荘という所だ。蘇州の近辺には、西塘やルーヂー、烏鎮など有名な水郷
が沢山ある。呉や越の時代から、太湖を中心に水行の便を活用した文化が発展
してきたからなんやろうと思う。
どこでも同じ用でやっぱりそれぞれに特長がある。
西塘は、古いつぶれかけた木造の家の軒下がずらりと繋がる回廊の面白さが格
別で確か映画MI3にも登場して、回廊のなかをトム・クルーズが銃で撃たれな
らも絶対当たらないというアクションで逃げ回ってたように思う。
ルーヂーはかなり小規模な水郷で、生活の中にあるという空気が濃厚だったよ
うだ。
烏鎮はその名の通り真っ黒けぽい印象を売り物にしてるんやろか、黒塀の建築
が延々とならぶ今は殆ど土産物屋になっている長い通りが特長だ。屋根瓦の古
びて波打つ様も面白い。
わしは、どの水郷も一度は行った事があるんやけど、この周荘だけは初めてな
んでとても興味深い。
ここは、西塘と同じように規模が大きくて有名なとこなんで観光客が多い。
どこを歩いても人、人、人にぶつかりながらということになる。
しかしさすがに水の上を歩いてる人は居いへん。
買い物上手な人はここでも沢山お土産を買ってはった。
わしは、絵葉書屋さんに入った。
画家さんが居てはって、ここの絵は全部彼が描いたのだそうだ。
こういう所で絵を描いて、売って暮らせたらそれも又楽しいんやろと思う。
では、わしも描いてみよう。
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ありがとうございました。