中国、浙江省、古村の旅ー47、仙居高迀古村にて−3。

さて、案内を勝って出たお爺さんが、ドヤ顔をしながら、こんどはわしの家を見せて
やると言う。

行き先をたどればさっきの昼寝じいさんの家とは違う家に向かってる。ということは
似てたけどべつじんだったのだ。

まあ、いくらなんでもすぐに目が覚めてわしらを追いかけてきたなんてのはおかしすぎる。
この爺さん、自分の家が自慢らしくお喋りが止まらへん。

どうやら庭の石が自慢のようだ。庭の石っていうても石庭みたいなやつとちがって、
小さな石を組み合わせて模様にしてあるやつだ。庭一面にいろんな模様が秩序正しく
配置されている。魚やら龍やらいろいろだ。多分吉祥模様なんやとおもうけど、その
意味するところはようわからへん。
柱の上のほう、鴨居のとこにも素晴らしい彫刻がある。

いろいろ説明してくれるけど、オシッコしたいんで集中できへん。
簡単に借りられるトイレはなさそうだ。
鴨居の彫刻もすごいけど、窓枠もすごい。

やっぱりこういうものが昔の富の証やったんやとようわかる。
こうやってみてると、建物や彫刻もええけど瓦屋根がとても面白い。
微妙に歪んで波打ってるのがいい。ゆがみ方がちょうどええゆらぎになってるんで見てても
心が落ち着くんとちがうやろか。それにしても、瓦はどうしてはるんやろ?
今どきこういう瓦を焼いてるとこは無いんとちゃうやろか? 今、中国の瓦は釉薬を
着けて焼くのが主流みたいやけどこんなのは特注で焼いてくれるとこがあるんやろか?
それより考えやすいのは古い壊れた家の瓦を貰っておいて昔から備蓄してきたんとちゃう
やろか?
そのためかどうか、1重でええとこに2重3重にも瓦をしいているとこもあるようだ。
あるいは軒下に積み重ねてるのもよく見る。
こういうのが観光化が進んで客がたくさん来るようになったらあっというまに現代風に
なってしまうちゃうやろかと思ってしまう。
雰囲気が似てたらええやんかと簡単に妥協してしまう、あるいは、なんで古いまま残さんと
あかんのやなって簡単に考える風潮があるような気がしてならない。
こんな露地もエエですなあ。

ワンちゃんがいてはる。
この家もなかなかええ。

基本、形は同じやけど、それぞれに味わいがある。

また、いい感じに曲がった露地があって、

同じような家がある。

そしていきなり普通ぽい家があったらなぜか面白い。

こっちの方が俄然新しいけど屋根が同じみたい。
こちらにも又違うおもむきの家があって、

その後やっとトイレに辿り着いた。
やれやれ。正面の新しい家の瓦は既に新しい瓦だ。
それでこの街とお別れする。

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ありがとうございました。