船から降りて、次に行ったのは「浙江美術館」というところだ。美術学院から南の方に歩いて30分 ちょいくらいのところにある。船に乗って楽をしたが、島に下りてからは大分あるいたので若干、 足がだるいがバスに乗っていくほどの距離ではない。しかし今日は暑い。湖岸の涼しいところを 歩いて行こう。このコース、朝の散歩コースの1つであるが、朝と昼とでは結構様子が違う。 湖や岸辺の柳はどっかに行ったりはしないけど、人の景色が違うのだ。 朝は同じ人達が同じ場所をまるで予約席であるかのように占領して太極拳の練習をやったり、扇を ふりふり踊ったり、イチニイサンシーと体操したりしている。それが一日も欠かさず続いているから それはそれですごいと思う。昼間はさすがにそういう人たちはいない。やはり一日中踊ってばかりも いられないのだろう。釣りをしている人もいる。釣り好きな人は万国共通のようだ。連れても いいし、つれなくてもいい。それを帰って食べるが目的かどうかも定かではない。なんにしても竿に 釣り糸をたらしていればそれだけでいいようなのだ。 それをじっと見ている人もいる。 時には写生している人もいる。そんなときは、わしもこうしてはいられないと若干焦ったりする。 昼間の主役は観光客だ道一杯に歩くし、写真を撮るのはいいが、ポーズを決めるのに時間がかかる から前を横切るのをためらう。がそんなやつはわしくらいだ。みなさん堂々と通り過ぎていく。 そういえばいろんなポーズをみるけどピースサインを見ることが少ないなあ。もうすでに時代遅れ なのだろうか。気をつけないと化石のようなおっさんと言われてしまう。 くだらないことを考えているうちにもう着いた。 大きい。
「えっ、今日は休館?」って思うほど静かだ。チケット売り場が無い、ということは無料なのだ。 今回の企画展のタイトルは「百花沃土」と言うらしい。どんな意味かよくわからないが豊穣の大地に 育まれた人や自然の暮らしをイメージしたらいいのかもしれない。 1階は大作の展示だ。 最初は大きな館内の4つの壁面を全部使って、人の群れがうごめいている。 いつでもどこからでも人が湧いてでてくる。ここはまさに中国だ。 現代画のようではあるがやはり国画と言われる中国画を感じさせる。
次の館は大地の館だ。ここにも壁面一杯に大地が広がる。果てしなく続く豊かな大地だ。
上に行くと、中国画が中心だ。 ごく普通の山水画も多い。
館内は広く静かでおちつけて居心地がいいが、ガラス張りの建物なので冷房していてもやや暑い。 あまり深い感動はなかったが何となく中国らしさというのを強く感じた展覧会であった。 又、良い企画展があったら来て見よう。