外を眺めると、疏水の向こうは緑に囲まれた大きな公園だ。
水の上ではボートが気持ちよさそうだ。
こっちもビールに酔って、おなかも一杯で気持ちが良い。
「さて」と立ちあがったが、上海に帰るにはまだかなり時間がある。
時間はあるが中途半端だから、どう過ごすか難しい。
「観前街まで行って本屋でも寄ろう」と話がまとまった。
何の事はない、朝一番に行った蘇州麺の「朱鴻興」のあるところのちょっと横の方というか
ここの横の方に「朱鴻興」があるのだ。
老街というより繁華街だ。デパートも沢山ある。買い物の人でびっしりと賑わっている。
「これが玄妙観という道教の寺や」
大きい寺だ。これを目当てに観光に来ている人もいるくらいだ。
というより、大きな木があるから、その木陰に涼みにきているのだろう。
ちょっとずつ店をみながらも、結局は本屋に入る。
ちょっと書の手本を探したかったのだ。
しかし、あまり目当ての本は見つからなかった。
それでも時間は結構つぶれた。
表に出ると、老師が果物屋の前に立ち止まった。
「ちょっと待ってな」
朝と昼に食べ過ぎたから、夜はこの果物ですますのだという。
「それはええ考えやね」
いくらなんでも食べ過ぎや。
さて、そろそろ駅に行って、上海に帰らないといけない。
老師はまだ蘇州に滞在するから私一人で帰るのだ。
「蘇州駅も新駅に替わってるから、念のため送ったるわ」
タクシーを止めようとするが、なかなかつかまらない。
ごうをにやして「なんやったらバスで行こうか?」と言い始めたのを聞こえないふりをする。
スーツケースを持ってこの炎天下でバスはつらい。
やっとつかまった。
安心して上海に戻ろう。
江蘇省食の旅-26、蘇州観前街へ
- 2010年9月3日
- 浙江蘇、安徽他/黄山、古鎮、墨硯紙筆
- 古鎮の旅
- 4人