山上都市に映画館があった。「廬山の恋」という映画を20年以上上映しつづけているそうだ。
看板からしてベタな恋愛映画に思えるが、廬山とか、青年の向上心とか党への忠誠とかがキーワードなんだろうか。人気というよりは政策的な感じがするが、記念物好きな中国に人には受けるのだろうか。
夜になると、深々と冷えてくる。空気もきれいだが、星もきれいだ。
土産物屋も沢山あるが、人のわりには歓楽街という形にはなっていない。ホテルまでの道をゆっくりと歩いていると、それぞれのホテルから団体客の賑やかな声が聞こえる。
簡単に言えば、修学旅行観光地といった感じだ。
この山上、廬山会議の記念館や国民党、共産党幹部の別荘を中心とした建国の歴史を語る建物、錦綉谷のように行場とも思える急峻な観光道、五老峰、瀑布、香炉峰のようなパノラマ登山などなど、あまりに盛り沢山だ。
だから、行く側も、受け入れ側もポイントがぼやけがちになるのであろう。
中国を旅行するときの不満は、事前情報が殆ど得られないという事だ。日本であれば、あらゆる観光地情報があふれていて旅行指南書が山ほどあるが、中国では、ごく大雑把な本しかでていなくて、ツアーに入るか、現地に行って聞くまでは詳細が分からないという時が殆どだ。
あまりにも広大で、膨大な数の観光地があるから作るほうも大変かもしれないけど、今、売られているのは、殆ど、概要は分かるけど、詳細がわからないというものばかりなので、そういう本が出版されることを切に願っている。