江蘇省食の旅-22、蘇州、耦園

さて、中に入って見学するか、と思うが、スーツケースが邪魔だ。
と思っていると、早速老師が交渉してくれている。
受付の門番のおばさんの横を指さして、「ここに置いといたらええで」と言う事だ。
えらい楽ちんだ。
この耦園も典型的な蘇州の庭園のようだ。疏水に沿って細長い形をしている。
間口は狭く奥に長いのだが、入り口は長手方向の側面についているので、
入って、すぐ左に展開する形になる。
「○△・・・・・・」がやがやがやと大きな声が響いている。
観光客であふれかえっているのだ。ちょうど夏休み中だから、家族連れで観光に
きているのだろう。いくつかの集団に分かれて、それぞれにガイドがついていて、その
ガイドがハンドマイクで説明しながらぞろぞろと歩いているのだ。
小中見大も正中求変もあったものではない。
どんな小路にも池の畔にも、東屋にも、岩山の上にも人の顔、人の頭が覗いているから
眼の錯覚の魔術も全く効かない。
遠近感は全て人間に支配されてしまっている。
こうなるとごちゃごちゃ騒がしいだけの庭園になってしまった。
しようがないから、庭園鑑賞用の大きな窓からそれを画に見立てて景色を見よう。
特に、様々な模様が美しく透かし彫刻された窓枠を通したら、それ自体が綺麗だからよけい
華やかな風情ができあがる。
画も沢山飾られていて、なかなか良い画もある。
「これは私の老師の画だよ」と老師が言う。先生の先生の画があるのだ。
一か所、えらい大勢が列をつくって並んでいるところがあった。
「何してるの?」と聞くと疏水遊覧の船の順番待ちだという。
この庭園は疏水と疏水に挟まれているのだ。
そっちの疏水も見たいなと思ったがとても入れない。
ちょっと人疲れしてきた。

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