江蘇省食の旅-23、耦園で琵琶歌を聞く

ちょうど「疲れたな」と思う頃、売店があって、お茶も飲めるようになっている。
「ここで水買おか?」と売店の方に行ったら、
「琵琶を弾いて歌ってくれるみたいやで」と言う。
「もちろん有料やけどな」
「いくらくらい?」
「1曲20元程度やで」
「なかなかええやん」、「頼みましょうよ」
こんなところで蘇州の歌と琵琶演奏を聴けるのならすばらしい。
「何にしますか?」と言われてもよくわからん。
友人が、「「茉莉花」できる?」と聞くと、
「できますよ」
琵琶歌の女性が準備を始めた頃、ガイドに連れられた観光客の一団が入って来た。
「わしらが金払ろたのに、聞かれたら損やなあ」と思う一方、
「そんなせこい事言うてもしゃあないや、音は囲い込まれへんで」とも思う。
「皆で聞きましょう」と老師も上機嫌だ。
「茉莉花」は私のカラオケのレパートリーではないが良く聞く歌だ。
「ええなあ」と思いつつ、一緒に口ずさんでいた。
「後、一曲いこう」
「次は、蘇州の古い歌をお願いします」
これもええ感じだ。
今日はいい経験ができた。
この庭園には、池があって、月を直接見るのではなくて池に写して見るという趣向がある
そうだ。
李白にそんな詩があったなあ。
「月下独酌」だ。
花間一壺の酒 独酌 相親しむ無し
盃を挙げて明月を迎え 影に対して三人と成る
月は既に飲を解せず 影徒に我身に随う
暫く月と影を伴い 行楽すべからく春に及ぶべし
我歌えば月は徘徊、我舞えば影は凌乱
醒時 同じく交歓し 酔後 おのおの分散す
長く無情の遊を結び 相期す 雲漢遥かなり
・・・「壺中天洋酔歩」沓掛良彦著より・・・・
こんだけ人がおったら、そんな感傷は無理無理。

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