ちょうど「疲れたな」と思う頃、売店があって、お茶も飲めるようになっている。
「ここで水買おか?」と売店の方に行ったら、
「琵琶を弾いて歌ってくれるみたいやで」と言う。
「もちろん有料やけどな」
「いくらくらい?」
「1曲20元程度やで」
「なかなかええやん」、「頼みましょうよ」
こんなところで蘇州の歌と琵琶演奏を聴けるのならすばらしい。
「何にしますか?」と言われてもよくわからん。
友人が、「「茉莉花」できる?」と聞くと、
「できますよ」
琵琶歌の女性が準備を始めた頃、ガイドに連れられた観光客の一団が入って来た。
「わしらが金払ろたのに、聞かれたら損やなあ」と思う一方、
「そんなせこい事言うてもしゃあないや、音は囲い込まれへんで」とも思う。
「皆で聞きましょう」と老師も上機嫌だ。
「茉莉花」は私のカラオケのレパートリーではないが良く聞く歌だ。
「ええなあ」と思いつつ、一緒に口ずさんでいた。
「後、一曲いこう」
「次は、蘇州の古い歌をお願いします」
これもええ感じだ。
今日はいい経験ができた。
この庭園には、池があって、月を直接見るのではなくて池に写して見るという趣向がある
そうだ。
李白にそんな詩があったなあ。
「月下独酌」だ。
花間一壺の酒 独酌 相親しむ無し
盃を挙げて明月を迎え 影に対して三人と成る
月は既に飲を解せず 影徒に我身に随う
暫く月と影を伴い 行楽すべからく春に及ぶべし
我歌えば月は徘徊、我舞えば影は凌乱
醒時 同じく交歓し 酔後 おのおの分散す
長く無情の遊を結び 相期す 雲漢遥かなり
・・・「壺中天洋酔歩」沓掛良彦著より・・・・
こんだけ人がおったら、そんな感傷は無理無理。
江蘇省食の旅-23、耦園で琵琶歌を聞く
- 2010年8月31日
- 浙江蘇、安徽他/黄山、古鎮、墨硯紙筆
- あじあの街角, 古鎮の旅
- 2人