江蘇省食の旅-21、自転車タクシーで疾走

えらいおいしい口のまま店を出た。入る時に見た、自転車タクシーのおっちゃんたちが
まだいる。と、老師が交渉を始めた。
「次は耦(オウ)園ていう庭園に行くけど、タクシーでは行かれへんのや」
「これで行ったらすぐやで」
タクシーが簡単に入れない小さな路地の先にいいものがあるのだ。これも世界遺産の
一部だ。「1台15元で行ってくれるそうや」、交渉成立だ。
またもや車は小巷の中を疾走する。
細い路地から路地を右に曲がり左に曲がり、人をよけ、バイクとすれ違いながら疾駆
するのは気持ちが良い。
天気は暑いが風がすずしい。
目線の高さとスピード感が車より遥かにいい。見える範囲も広い。
「こりゃあ、ええわ」
今まで、タイやベトナムに行っても、インドに行っても、勿論中国でもこういう乗り物
はトラブルの元と良い聞かされてたので、正直に避けてきた。
しかし、こんなに気持ちがいいのなら考えを改めなければいけない。
やっぱり見たい、感じたい風景に見合ったスピードや視界を持った乗り物があったら
それに越したことはないのだ。
「ちょっとここ、見ていこか」いきなり、とある古い建物の前で止まった。
実はもうチェックアウトしてスーツケースを持ったまま移動している。
この自転車タクシーにもスーツケースを積みこんでいるのだ。それでこんなに走って
くれるのだからありがたい。
「荷物だいじょうぶかな?」という顔をした。
「わしらはちゃんと、こんな鑑札を持ってるから絶対大丈夫や、安心して見に行っといで」
と言ってくれる。こういう状況は信用しないといけない。
寄り道も堪能して、更に走ると疏水に行きあたった。
水の街、蘇州は到るところに疏水があって、流れに沿って木が植えられている。
大方の庭園はそういう疏水の傍らに造られていて、周りの木々や疏水からであろう豊かな
水を利用して風景を創っているんのだ。
老師は更に交渉している。
「ここで30分程、待ってもらって、次に○○まで行きたいんやけど、どや」
とことん活用する気だ。しかし、「30分は待たれへん」、「しゃないなあ」
大の大人二人とスーツケースまで運ばせたので気が咎める、「こっちはチップあげても
いいですか?」、こういうのは両方同じにしないとまずい。
「ええよ、こっちもあげてるから」
この「耦(オウ)園」、入り口の景色がなかなか感じが良い。

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