高山病爺さんがエベレスト街道を通ってエベレストを見に行くの記-46、雲の上で。

小さな飛行機は飛ぶときも簡単なような気がする。特になんの合図も挨拶もなく
ブルンと動き出したかなと思ったら、すぐにググーンと背中に力がかかって、
飛んでいくなって思ったら、もうふわりと浮いていた。高いとこから出発したんで
高度を上げるのは早いようだ。
もう目の前に山が見える。

さらっと見えてるけど多分6000メートル級の山とちゃうやろか。
ぐんぐん近づく。

何となく空中を飛遊してる感じだ。エンジンの音が心地よい。
下を向いたら雲の下に民家が見える。えらいとこに畑を作ってはる。

似てるようで違うような大きな山が次々に現れる。
すこしずつ山が遠くになってきた。

雲の上をふわりふわりととんでいるようで気持ちがよい。

パイロットさんたちもなにか話しながら操縦してる。操縦席が丸見えだ。
どんどん雲が出て来た。

ええなあ。雰囲気ええなあ。見ていて全く飽きへん。しかし、どこかの少数民族
みたいな服をきちんと来たおじさんは、全く外の様子を見る風もない。
観光客でも関心のあるひととない人がいるようで、一生懸命見てる人もいれば
グーグー寝てはる人もいてる。
とうとう雲の中に入った。

これはこれでとても良い。
幽玄の世界ではないか。

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わずか1時間ほどのフライトだ。キョロキョロしてる間についてしまった。

首都カトマンズの空港とは言え、国内線、特にローカル線はとても簡単だ。
ルクラと同じように扉がタラップになったところから降りたら歩いて事務所に行くだけだ。

荷物を受け取って、1週間のエベレスト街道トレッキングの旅は終わった。
やれやれ。
後はホテルに行くだけ。1週間ぶりの風呂に入って、高山病が心配で結局全行程
風呂に入らなかった、着替えして、風呂に入らへんから着替えした回数も少ない、
思い切りくつろごう。
カトマンズの喧騒がなつかしくもある。

やっと現実が戻って来たな。

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ありがとうございました。