冬の青森、秋田、雪の文学、温泉めぐり-03、酸ヶ湯温泉、ヒバ千人風呂

湯煙の奥に人が見え隠れする。というか濃厚な煙なんで殆ど見えへん。
なるほどこれが混浴というやつか、初めてやなあ。興奮するなあ。
いやそんな浅ましい心で混浴風呂に入ってはいかんのだ。それに、この歳にな
るとどうでもええ気持ちも強いし、たとえ興奮したいと思っても時間がかかる。
それはどうでもええけど、霞の向こうで見え隠れするのはなんじゃろう。
そのうちに状況がわかってくる。霞は霞で何かが見えるわけではないし、もし
見えたとしても、殆ど女性はいてはらへんようだ。

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これが、有名な酸ヶ湯のヒバ千人風呂というやつなんか。
とても大きい木造の部屋の中にこれまたとても大きい湯船と少し小ぶりの湯船
があって、どちらも真ん中で仕切って男性用と女性用にわけてあるけど女性用
側には殆ど人影は見えない。更にある仕切りの向こうにも湯船があるみたやけ
どそちら側の詳細はわからへん。
湯船の中は外国の人が多いけど、マナーは悪くない。皆さん気を遣ってはるん
かもしれん。お湯は結構熱くて良い気持ちだ。その名の通り酸性のお湯らしく、
ちりちりと肌を刺す感じがある。ざばっと顔を洗ってみると目にしみる。
「ここのお湯効きますなあ。そうでっしゃろ。」ってとなりで茹だってるおじ
さんが話かけてくる。
昔ながらの湯治場やから、この湯が体にええんやと思う。
不思議に腰が軽くなってきたんとちゃうやろか。
ここはもちろん写真なんか撮られへんけど満タンに入るとこんなになるらしい。

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ここで日帰り入湯するときは、二つのコースがあるらしい。1000円だすと、こ
のヒバ千人風呂と亀の湯に入れてタオルも付けてくれるという。500円だとヒバ
千人風呂だけらしい。わしらはようわからんかったんで1000円だしてしもた。
どうも殆どの人は千人風呂だけらしい。
で、わしらはつぎは亀の湯だ。

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こちらはかなりこぢんまりしている。
中に入っても誰もいてはらへん。
お湯はやっぱり酸性がきついらしく肌を刺すのは同じだ。どっちがどうなんか
はさっぱりわからへん。
外に出たら廊下には、棟方志功の作品が一杯あった。
わしは大ファンやからとても嬉しい。

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温泉にくると皆さんゆっくり長く入りはる。わしは、体がふやけてきそうで、
長湯は苦手だ。お金が勿体ないんで出来るだけ長く入ろうとはおもうけど、我
慢できへんようになる。
そやからちゃっちゃと終わって、ビールでも飲もうと思った。建物の外には、
そんな店は見当たら無かったんで、中を見回すと喫茶室のようなところがあっ
たんで中に入った。ご高齢ではあるがあしらいの上手そうな女性がいて、状況
によってはカラオケスナックにもなりそうかもしれない佇まいではあるが、今
は昼間の日差しが積もった雪に反射してとても眩しくて明るい。
ビールを飲んでると屋根に積もった雪がドサッと音をたてて落ちた。屋根の上
ではバイトさんらしき若者が雪下ろしをしている。
「今年は雪が少ないんよ。いつもの1/3くらいやね。」とおばさんが言った。
路線バスはもう終わったけど、観光バスが到着したんで、観光客がどっと建物
の中に入ってくる。やっぱり中国語なんやね。女性が多いけど混浴風呂に入り
はるんやろか。
裏山は八甲田山のゲレンデの一つらしい。スキーをしながら長躯、ここまで降
りて来る人も多いらしい。目の前でそういう人達がスキーを脱いでいる。
とりとめなく時間を過ごしているうちに帰りのバスの時間がきた。

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13時頃到着して、15:25に出発。2時間強の滞在だ。もっとゆっくりするとバス
の便がなくなるけど、これくらいがちょうど良かったような気もする。

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ありがとうございました。