バスは定刻に出発。さすが雪国、チェーンを巻いて走ってはる。がらがらでは
ないけど満席でも無い。一人旅の人は窓側の席を好きに選べる程度の混みよう
だ。わしはうれしがりやから一番前のゲットさせて頂いた。
さあ、これから酸ヶ湯温泉に向かうのだ。
深い深い雪の中に埋もれるように温泉館がぽつんと建っていて、時々吹雪が、
ビューと吹く。バスが来た時意外は人を誰も見かけへん。
そんな景色を想像してるんやけど実際はどうなんやろ。
楽しみやなあ。
新青森駅で友人が合流してくる。
今更二人仲良く並んで座ってもあんまり話題もないんで、彼も窓側の席に行く。
又も外国人達がチケットにスタンプ押して貰うだけで乗ってくる。何なんやろ?
気になるなあ。何か安い方法があるんなら、わしも知っときたい。
みなさん英語やら何ちゃら語やらで運転手さんに話しかけてるけど運転手さん
は上手に捌いてはる。
新青森を出ると直にバスは街を外れ始めた。あちらこちらで外国語が飛び交う
国際的なバスはだんだんと山の中に入って行く。
少しずつ雪が深くなってきた。それでなくてはいかんのだ。
どんどん山に登っていく。
道はカーブが多くなる。そう言えば、ミャンマーの長距離バスでは、平地を走
ってると言うのに車酔いしてゲロ嘔いてる人がいてはった。それもわしのすぐ
近くだ。こっちまで気持ち悪くなりそうだった。ここでは山道ではあるけど車
酔いする人はいないらしい。というのは、かくいう私がちょっとだけではある
けどやばいかもって思ったりしたのだ一生懸命遠くを見ようとするけど、窓が
曇って見えにくい。
車内では女性アナウンサーのテープが流れて八甲田山死の行軍の悲劇を解説し
ている。なるほどあれはこの辺やったんかと思う。
映画でも見たし、本でも読んだ。
雪中行軍の悲劇。
何が原因だったかは別として、学ぶべき事は多かったはずやのにあんまり学ば
なかったのがその後の現実やと思えてならない。しかし、国際バス的なこのバ
スではあんまり関係ないかもしれん。聞いてる人は僅かやと思う。
八甲田山の見えるところでバスちょっと停めて撮影タイムだ。
中々気が利くやんか
こうしてみると、山容は大きいけどそう無茶苦茶険しい山でもない。それでも
吹雪になって、気温がマイナス20度を超えるようなことになると状況は一変す
る。恐ろしい。
更に山を越えていく。
少し行くと、スキー場が見えた。
ここで10分ほどの休憩だ。
ここらあたりから、今はやりのバックカントリーのツアーに行ったらよかった
んやろかと思ったりする。
トイレに行く人、写真を撮る人、ぶらぶらする人、時間は直ぐに過ぎる。
さあ行こう。
「後、何分?、「後2分です。」
運転手に確かめながら出て行く人がいる。
「えっ」と思う。
それでも速やかに帰って来はったからよかった。
外国の人は自由自在だ。
山をぐるっと回って、酸ヶ湯に着いた。
3メートル、4メートルもの雪に埋もれた秘境の温泉????
と、思いきや。
えらい雪が少ないんとちゃうやろか。
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ありがとうございました。