さて、杭州で一夜明けた。皆さんと相談した結果、早起きして西湖の朝の風景
を見に行くつもりなのだ。しかし、残念ながら天気が悪い。朝から街の中にも
霧が漂っている。
でも、朝霧の西湖もなかなか風情があっていいような気もする。元気を出して
行って見よう。
昨日よりは大分南の方だ。
西湖の周回道路に入る入り口に来た。
この並木はいつ見てもええ感じ。絵になる景色なのだ。
霧もまたいい。
ここは西湖十景の「柳浪聞鶯」の真ん中あたりやろか。柳の中に鶯の声を聴く
というやつだ。このあたりを散歩してたら、確かに鳥の声が一杯聞こえて、気
持ちが和むところであった。今は寒いからいてはれへん。
時間が少ないんでいつもよりせわしなく歩く。(いつもか?)
やっと湖畔についた。
いつもやったら、湖畔を散歩する人が沢山居てはって、太極拳やったり、ラジオ
体操やったり演舞やったりと忙しいんやけど、今日は散歩する人がちらほら居
てはるだけだ。ラジオを聴きながら歩く人も居てへんからもの寂しい。
霧の中にぼんやりと対岸が見える。
これはこれで一つの風景ではあるけど、普通は、その向こうにお寺があって、
大きな塔がある。そこに夕陽がかかるのを「雷峰夕照」と言うのだそうだ。
今はないものを空想するしかない。よう見たら見えへんやろか?
やっぱり無理か。
も少し歩くとあずま家がある。水墨画によく出て来る形だ。
この左にある橋で昔、美女が何かで世を儚んで身投げしたとかいう伝説がある
らしい。
いつもはここも、集団演舞の練習場みたいになってたんやけど、今回は誰も居
ないのは天気のせいなんやろね。
あのおじさんは多分、橋の向こうで、太極拳かなんかやってるみたいだ。
写真を拡大したらそう見える。
一人でストイックにやってはる。
本来ならその向こうに「南屏晩鐘」たる浄土宗らしきお寺があって、夕方にな
ったら鐘がゴーンと鳴るのだそうだ。
こういう風景は水墨画風でたしかにええんやけど
何かもの足らんようでもある。
有るものを水墨風にぼかして見せるのは得意やけど、
無いもんはぼかしようがないし、無いもんをあるように描くのも難しい。
あんまり興も続かんので朝飯でも食いに行くとしよう。
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ありがとうございました。