蘇州古園の旅ー20

上海に帰ろう
楽しければ時間が過ぎるのが早い。
帰りの列車の時間が近づいてきた。蘇州の市街地は結構渋滞する。駅までは歩いて
3、40分くらいの距離かなと思っていたが、車でも結局それくらいかかった。
駅に着いたがまだ1時間くらい余裕がある。今度は立ち席だから、一般の待合室だ。
さすがに帰りの席がないくらいだ。人で一杯、超満員だ。
「何時の列車?」と隣で待っている人が聞いてくる。チケットを見せると、
「私は夜の10時のチケットしか取れなかった」と言う。6時前に乗れるだけでも
ラッキーだったのだ。これから5時間待ちはしんどいやろなあ。
待合室の横には改札が4つ、5つある。
列車番号によって改札が決まっていて、出発20分前くらいになると放送があるから
そこで切符を見せてホームに行って列車を待つのだ。
時間があるから、その様子を見ていた。
最初に放送があると、列を作って待っていた一団がどどっと中に入って行く。
一応終わると改札が閉まる。それでもちらほらと遅れて来る人がいる。
その人は一番端の改札から入れてもらう。又来る。又来る。
幾らでも遅れて来る人がいるようだ。
皆さん布団袋のようなおおきな荷物を持っている人が多い。時間がないから、係員も
せかすし、本人も焦って走る。荷物が大変だ。
あせらない人もいる。もうアラームのブザーが「ブーーー」と鳴っているのに、
よったり歩いている人いる。性格なんやろうなあ。
最後の「ブー」が鳴ったらもう入れてくれない。
結構退屈しないで見ている内に時間がきた。
ホームにはもう夕暮れが来かけている。その中を新幹線の先頭の丸い明かりがやってきた。
立ち席といってもそれほどぎゅうぎゅうではない。空席を目で探したが、そんなものは
あるはずもない。こんな中でも車内販売のカートが回ってくるので客車内は居り辛い。
出入り口の通路で背中をつける壁を奪い合いながら立っているが、それでも40分
くらいはあっという間だ。
上海に着いた。長い一日。
楽しい旅だった。