桂林2007の想い出-5、水上いかだタクシー

おっちゃんは、ゆっくりゆっくり竿をさしながら船はすいすいと進む。
目の前の景色は相変わらず、「まるで水墨画のような景色」が続く。景色はじ
わっと変わっていくので、ずっと同じ景色を見てるようで気がついたら違う景
色になっている。その変化も面白い。
おっちゃんは、どこでも言うてくれたら止まるからって言うけど、どこで止め
たらええんかわしらにはようわからんやんか。
景色を見たり、写真を撮ったりするのは外に出てもいい。広くはないが2人く
らいなら立ってられる。しかし、寒いから中に入ってよう。
ガラス越しで写真撮るには若干問題がありそうやけど、プロやないからまあえ
えとしよう。景色はしっかり頭に焼きつけとくもんや。
山と川の水ばっかしの景色で、ずっと同じようなもんやけど意外と飽きない。
そうこうするうち、不思議な乗り物が行き来してるのに気がついた。

イカダのようなものだ。
その上に椅子を載せて、ある時はエンジンである時は竿で押して、水上をすい
すいと走っているのだ。
なんやそうか。
一見普通、なんの変哲もないけど、なんか変や。
竹を組んだような平たさで、畳を更に細長くしたような大きさで、その上にご
く普通の椅子を載せている。固定してるかどうかすらわからない。その椅子に
誰かが座って、横に荷物を載せて、船頭さんがいて、すいすいとそれを漕いで
走っているのだ。空飛ぶ絨毯が水の上を走ってるみたいだ。
下りは竿で、上りはエンジン。経費節約でええなあ。

しかし、水かぶらへんのやろか? 落ちいへんのやろか?
雨の日はどうすんや?
素朴な疑問が次々と湧いてくる。しかし、どうもこれはこのあたりのタクシー
のような働きもしてるようなのだ。
いろんな人を乗せた乗用イカダが上ったり下ったりしているのだ。
仕事帰りの娘を乗せたようなのもある。
買い物に行ってきた老夫婦が帰るのを送っているようなのもある。
街にでかける若い男が乗っているときもある。
若いカップルもいてる。
いやあおもろいなあ。
そうなると当然必要になるガソリンスタンドみたいなのは?

あるある。ちゃんとあるやんか。水上ガソリンスタンドかいな。
桂林って車の道路よりむしろ川の上が生活道路になってるんかもしれんなあ。
大阪でも堂島川をボートで渡って通勤しようとかいう話も聞いた事がある。
自然の仕組みを忘れてしまわんともっと活用できたらええなあ。

さて景色は少しずつ変わって行く。

この奇妙で美しい景色は見飽きる事がない。
どこまでも、「まるで水墨画のような景色」が続くのだ。


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