鳩摩羅什(クマラジュウ)という名前を知ってるやろか?
仏教の世界では玄奘三蔵とならんで重要な人物だという。殆どのインドの仏典を独力
で翻訳した人だと言う。西域の亀茲国で重要な人物であったのに攻め込んだ中国後涼
という国の呂光と言う王に囚われて一生を中国涼州で暮らしたのだそうだ。
仏徒でありながら、辱めるためか帰らせないためか王にむりやり女性をあてがわれて
言うことを聞かされてしまったという数奇な運命を辿った人でもあったらしい。
有名な大雁塔のある大慈恩寺が玄奘三蔵の仏教翻訳の拠点の跡であるなら、草堂寺と
言う寺が鳩摩羅什の拠点の跡に当たるのだそうだ。
それで今度は草堂寺に向かうのだ。
兵馬俑や始皇帝陵は西安市の北東側にある。今度は草堂寺へ向かうので西安市の真南
の方にいかないといけない。
車は一旦西安の市内の戻る。市内のすぐ外の外周を廻る環状道路に出るまでは早かっ
た。そっからが渋滞でなかなか前に進まない。
西安市内は毎日、毎日渋滞のようだ。
じりじりの半時計周りに南に廻って直線道路に出たら後は早い。快適に南に向かって
飛ばす。
天気は快晴、気持ちがいい。真南の方角に大きな山並みが連なっている。
幾つか姿のいい尖った形の山が目立つ。一際高くて美しいのが終南山なんやろと今は
決めておこう。
道はT字路にでた、右するか? 左するか? 自信なさげだ。何かおかしい。
「この運転手わかってへんのちゃうやろか?」
盛んに誰かに電話で聞いている。
結局右に曲がって、「後、15km」って偉そうに言うてるけど、きっとわかってな
いんやろ。「こらこっちもしっかりしとかなあかんわ」と思って標識を一生懸命見な
がら走る。「あった」、草堂寺という看板を見たような気がしたんでそう言うと、
「まだ先や」と言うこときかへん。それでしばらく行ったらどんどん違うと言う事が
はっきりしてきた。やっぱり戻ろう。
それで元も標識まで戻って左に曲がる細い道だ。田んぼの中をしばらく進むと左手に
こんもりした森が見えてきた。
「あれやで」
田畑の真ん中にひっそりと立っている。なかなかええ感じや。
中に入ると以外に大きくて広い。
本堂もしっかりしてるし、
鐘楼や鼓楼も形どおりそろっている。
史跡というよりは現役の寺でもあるらしい。ちゃんとお坊さんがいてはる。
こいつを敲いたら、「ごはんですよ」なのだ。
なかなか長閑ないいお寺であった。
より大きな地図で 草堂寺 を表示
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