最近読んだ本、「修理」、「下町ロケット」

  • 2012年8月18日
NO IMAGE

足立紀尚、「修理」
ちょっと前に壁掛け時計が壊れてしまったことがある。確か近所に時計屋さんが
あったはずやと探してみたらもうなくなっていた。それで気が付いたが町内から
時計屋さんがなくなっているのだ。前は修理もできる時計屋さんがどっかにあっ
て普段はあまりお世話にならないがいざと言う時頼りになってありがたかった。
そう言えば電機屋さんも少なくなったなあ。洋服仕立て屋さんもほとんど見かけ
なくなった。修理と言うことを念頭においたお店がどんどんなくなってしまって
いるのだ。もしかしたらこれはえらいことがおきてしまっているのかもしれない。
確かに直すよりは買った方がましと言うものは多い。しかし、あえてそういう構
造をつくりあげたきた結果であるとも言える。
今回、杭州に画の勉強で留学した。3ヶ月いる間に新しく買って持っていった靴
が磨り減って穴が開いてしまった。新しいのを買おうかとも考えたが、修理屋さ
んを探して直してもらった。その時気づいたのだが、中国では、修理屋さんが多
い。靴屋や自転車だけでなくて家電の修理屋さんも多いのだ。扇風機、洗濯機、
冷蔵庫にエアコン、ラジオにテレビ、何でも直してしまうようなのだ。
折角こういう生活文化がまだ健在なんやから効率重視、コスト重視の流れの中で
消えてしまわないようにと思った。
この本はモノを修理する人たちの話だ。

パイプオルガン、ピアノ、鞄、靴、仏像、屋根・・・。
モノ造りと密接した伝統と匠の技がある。
読んでいて楽しい。

何でも電子化されて安くて便利になるのはいいが、壊れたら買い換えるだけと言
うんではなくて修理されることを前提にモノを設計しないといけないと言うよう
な時代が来たらええなあと思う。

池井戸潤、「下町ロケット」
どんな小さな町工場であっても他に類を見ない特別の技術があれば世界に通用する
と話が最近よく聞くようになってきている。それがどういうことなのかという一端
を感じさせるような話で読んでいて気持ちがいい。頑張れ日本と言いたい。
こういう風潮をきっかけに日本人のモノ造りの心と匠の技がまた生き返ってくる時
代を作って欲しいものだ。
そういうことを強く感じさせる本だと思う。
ただし読みものとしてはどうなんやろ。直木賞をもらったにしては安直すぎるよう
な。ええもんが悪もんを艱難辛苦の上にやっとやっつけるというようなあまりにも
単純すぎる構図がこれでええんかいなと思ってしまうし、特許争いにしてもちょっ
とちゃうんちゃうかと思ったりするが、そんな細かいところの揚げ足取りをするよ
りは、どんな形にしてもがんばれ日本の声が大きくあがるのはいいことだと思う。

ブログランキングに参加しています。もしよかったらポチンとお願い致します。
ブログランキング・にほんブログ村へ
にほんブログ村

ありがとうございました。