杭州にいる間に、あちこちちょろちょろと足を延ばして見ようと思っている。
近辺はかなり行った。今度はちょっとだけ冒険をしてみよう。
杭州から南東にバスで3時間くらいのところに、諸葛孔明の直系の子孫が暮らす、「諸葛八卦村」と言う
ところがあると本で読んでいた。ちょうど程よい距離ではないか。日帰りでいけそうだ。
金華ハムで有名な金華市の少し向こうに蘭渓市という街がある。杭州からそこまで長距離バスが出ていて、
そこからローカルの乗り合いバスに乗って30分ほど走るとその村に着くという情報がネットに掲載されて
いた。こういう詳細な情報を載せていただけると実に助かる。
行き方も分かったから、早速バスのチケットを買いに行った。これでごたごたと手間取った話は前に書いた。
それで、最終的に8時のバスのチケットを手に入れた。78元だ。買ったのが早かったのか4番の席だ。
心配なのは帰りのチケットは向こうに行くまで買えないということだ。行ったのは良いが帰れなかったら
どうしよう。着いたらすぐに帰りのチケットを買っておかなくては。
当日の朝、念のために早い目に出て、バスセンターに行くためのバス停に立った。先に来たのは違うところに
行くバスだ。降りてきた乗客の中の若い女学生のような女の子が、「すみません、○○路にはどういったら
いいでしょう?」と聞いてくる。おっ、ちゃんと聞き取れた。そうなると元気がでる。
「まかしとけ、おっちゃんが助けたるで」と口には出さないが、かばんから地図をだす。二人で地図を
見ながら、「○○路はここで、今この辺にいるから、あっちの方へまっすぐ行って大通りを左に曲がったら
ええんやね」と意見が一致した。やっと道を聞かれてちゃんと答えれた。何かえらいうれしい。
つまりちょっとだけ聞きとりに慣れて来たということだ。
気をよくしてるところにバスが来た。
朝早いから道が全然混んでない。着いたらまだ7時半にもなってない。
バスターミナルの外には何もないから荷物検査を通って待合所に入る。
大きな待合所だ。
行く先ゲートが何箇所もあって、広い待合所一杯に人がいる。列車の駅ほどではないがいつもどこでも
人が一杯だ。チケットにゲート番号が書かれているので、そこが見える場所で空き席を探して座る。
見ていたら、大体5分前くらいになってやっとゲートが開くようだ。さっと乗ってさっと出るのだろう。
どのゲートも開いては乗り、開いては乗りで人が消えていくが、又人が増えるのでいつも同じくらい人が
いるのだ。
さて、とうとう時間が来た。どきどきするなあ。
4番やから、一番前1列目のはずだ。それに窓側だろう。ラッキーやなあと思っていた。
「ん?」、乗り込んだらそこに若い女の人が座っている。あわてて通路の表示を見直す。
老眼鏡がないと見えへん。めがねをかばんから出そうとごそごそしてたら、何番と聞くから4番と答える。
「ここ」の通路側の席をあごでしゃくる。
そんなはずないけどなあと表示を確認するとやっぱり窓側だ。チケットを出して、「そっちが私の席ですが」
と言うと、「そっちや」と更にいう。椅子に深くふんぞりかえって携帯電話を見ながらだ。しかも荷物を
足元と窓側にごそっとおいている。かなり態度が悪い。
もう一度確認して、「やっぱりわしの席はそっちやで」とちょっときつく言う。
「変わらへん、一緒やんけ」とふてくされて言い返してくる。本当はどっちでもええけどなあと思ったけど、
この態度の悪さに気い悪して、「一緒ちゃうわ、こっちへ行けよ」ときつく言った。
それでやっとぶすっとした顔しながら移動した。
当たり前の事であるはずなのに何故か後味がわるい。
ぐずぐず思っている間にバスが出た。高速を走るから早い。
エアコンが効いて寒いくらいだ。
窓の外の景色が見れていいなあと思っていたら、朝日が差してきたという事もあって、となりの女の子に
さっとカーテンを引かれてしまった。
約2時間半、口をきかずに座っていて、蘭渓のバスセンターに着いた。
エアコンの効きすぎで運転手がしきりにくしゃみをしていた。
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