水煮魚。これは、四川料理の中の白眉ではなかろうか。
おいしい四川料理屋は、店の玄関に近づいた時から、香りが立つ。なんともいえない唐辛子系の辛味の匂いが既に食欲を十分にそそっている。そんな時、この料理を期待と共に注文する。見てください。この鍋の中の山盛りの唐辛子。この中に、ぐつぐつと煮えたぎる白身魚をはーはーふーふーと汗をかきながらいただくのです。
この中には、唐辛子の他には花椒という中国山椒ともやしが入っていて、この山椒の香りと痺れがまたすばらしい。鮮烈な辛さと痺れが口の中で炸裂する。最初は、何歩も引いてしまうような辛さだが、それでも又食べたくなる魔性の味と分かってくる。もやしも又格別で、これを食べると幸せになる料理だ。