麻婆豆腐といえば、最もポピュラーな中国料理の一つかもしれませんが、中国で食べたら全く味が違います。
本格四川の麻婆豆腐のパワーは凄まじいです。最初の一口で決まります。
ちょっとした痺れと辛さが、まず、そっと入ってきて、「あ、意外と辛くないかも」とか思っているうちに、ドカンと口中に香りと、辛さと痺れがひろがります。「熱い、辛い、旨い・・」と思いながらも目が辛さで潤んできます。
「フーフー」、「ヒーヒー」、「ハフ、ハフ・・」です。
あの、白くて、やさしくて穏やかな豆腐の存在は、なんの助けにもなりません。絶妙にからみついた辛さと痺れを口の中で保存する働きをしているかのようです。
それにしても、店によって味は大きく違います。
花椒の麻の痺れと、唐辛子の辣があれば好いというだけのものではなくて、それも大事ですが、味の深みの差が大きくでてきます。
私の乏しい経験の中でのお勧めです。
上海の三娘魚荘、辛さの量感と味の深さがすごいです。
深センの老院子、目がうるうる間違いなしです。切れ味するどい痺れと辛さがガツンときます。
北京の金鼎軒、本格四川の店ではないのに、旨いです。辛さと味の深さのバランスがとても好いです。
どの店も共通して言えるのは、食事時にはお客で一杯です。
美味しい店は人気があるのです。