ジャニス・ジョプリンで思うのは、やはり酒とドラッグですね。
何が彼女をそうさせたのでしょうか。芸術家、特に音楽家でドラッグにおぼれる話をよく聞くように思います。
自らの努力と結果がかならずしも結びついていない世界であるし、常に聴衆の嗜好や志向をリードしながら、新規なものを発信しつづけないといけない世界でもあって、そのプレッシャーが重過ぎる事からくるのでしょうか。
ドラッグの魅惑は、体験したことは無いですが、よく本に書かれています。
最近では、カズオ・イシグロの上海の事を書いた本やグレアム・グリーンのベトナムが舞台の本などを読みました。
古くは開口健のやはりベトナムや中国の話にでてきます。こういう中では、耽溺や退廃、荒廃の世界と、一方では、生活のスタイルとしてアヘンをバランスよく使いこなしているかのような人もでてきます。
でも、ほんの一面では、そういう部分がないではないとしても、やはり人格の荒廃に向かう流れは止められないのではないかと思います。
本で読む間はいいけれど、現実の麻薬は恐ろしいものだと思います。
それにしても、ジャニスの歌はすばらしいです。
あのシャウトするパワー、ブルージーなビート、本当に痺れます。
特に、「サマータイム」が好きです。
バロック音楽にも似たギターの美しい旋律がイントロから終わりまで終始流れる伴奏に乗せて、彼女の哀しみがシャウトしているように聞こえます。
今は、心静かに聞いていよう。
毎週木曜は映画、音楽、書画に関する話です。