台北野球倶楽部の殺人。
唐嘉邦著
古き良き台湾。
昭和13年頃の話。日本ではプロ野球の黎明期とも言える頃。まだまだ、東京六大学野球や社会人野球が人気を博していたころの台湾で話が始まる。
ある日、北鉄萬華駅の列車のなかで死体が発見された。
その頃の路線って、こんな感じだったらしい。
:::文藝春秋社「台北野球倶楽部の殺人」より
現在の路線にほぼ近いんではなかろうか。
刑事の北澤英隆と李山海が捜査にあたる。
被害者は陳金水。毒殺だ。一升瓶が残っていた。それに大金500元。
さて、何があった。
まるで松本清張を読んでるみたい。犯人を探す刑事たちの目線から、その当時の台湾の暮らしや人々の息遣いが浮かんでくるようだ。
昔、日本人がいた時代の台湾。
日本の原風景が移植されていたような風でもあったかもしれない台湾。
いろいろあった歴史があったにしても今でも日本に優しい気持ちを持ってくれてる人が多い台湾。
殺人事件を追う物語なんやけど、なんだかええなあって思う。
台湾の列車旅をしたことがある。
台北から西部幹線を彰化まで行って、そこから二水で集集線というローカル線に乗り換えて集集駅まで行く小さな旅であった。秘境というよりは、ごく普通の田舎の風景を満喫できた。そしてどこかに日本の原風景を感じることができたようなとても心温まる旅であった。
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台湾をほぼ一周するような列車の旅もしたことがある。
台北から台中、台南を通って台東、花蓮まで行って、台北の戻る旅であった。
こちらもとても良い旅であった。
ほぼ一周と言ってもさらっととおりすぎただけの簡単な旅であったけど、新幹線だけでなく、ローカル路線や自然豊かな田園風景を満喫できた旅であった。
それに、あちらこちらに日本人がいた時代の名残が残っていて、それを良い思い出と思ってくれてるところもあって、とても嬉しかった。
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さて、物語は、野球好きの仲間たちの集まりが端緒になっているのか?
寝台列車で何があったか?
西来庵事件とは? 秀才さんと呼ばれる男がいた。
その子の行く末は?
時刻表に隠された謎は?
まさか大下選手獲得にからむ恨み?
アリバイはどうなる?
とても面白い。
わしの勝手なおすすめ度。
星4つ。
日本探見二泊三日。
宮脇俊三著
二泊三日の旅ってちょうど良い。
最近はコロナの影響で海外旅行にいけない日が続いてた。
コロナは下火になってきたけど、海外旅行は行けないことはないという状況になってきたけど、
いろいろ面倒そうでもある。
そんな間は、チョロチョロと国内旅行に行ってた。
この本にあるように、二泊三日くらいが国内旅行ではちょうど良いくらいの旅になる。
そんな旅の参考になるかなって思って、読ませていただいた。
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行ったことがあるとこもあれば、近くを通ったとこもある。
行きたいなって思ってるとこもある。
やっぱり二泊三日の旅を続けてみようって思う。
編集者に旅の計画をまかせるみたいな姿勢がちょっと気に入らんけど、楽しめる本。
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わしの勝手なおすすめ度。
星3つ。