中国地方、美術館の旅ー04、雪舟さんとご対面。

雪舟さんとご対面。

さて、いよいよ雪舟だ。
玄関を入る。普通は邸内を先に見学するのが自然な作りになってる。
わしらは、駅で行きそびれたトイレに行ってから、一番奥のお宝部屋を目指す。
それにしても、荷物をあずけるロッカーみたいなのがない。旅の荷物を担いだまま
やとしんどいし、落ち着かへん。
最初に、コピー版があるけど、これは本物が展示中でないときのためのもんやろと
思う。サラッとパスして奥の部屋に入る。
さあ、見るぞ。
入り口から、右手に向かって横長に展示されてる。
一旦一番奥まで行って、戻りつつ鑑賞する。山水長巻というのは、横幅15mほどもある
巻物だ。巻物というのは普通、左に向かって広げていく。絵は、右から左へと流れていく
ように描かれている。そういうものだ。
そやから、いったん右端に行って、少しずつ左に移動しつつ眺めるのだ。
なんせ、15mの大作、サラサラっとは見られへん。
中国の山村らしき風景の春夏秋冬の四季の移ろいを描いているようだ。
もちろん写真撮影はできない。
手元に「雪舟の「山水長巻」風景絵巻の世界で遊ぼう」(小学館)という本がある。
その中にこういう写真が紹介されている。

この本でいろいろ勉強してから見に行ったのではあるけど、実物を前にするとそういうのが
吹っ飛んでしまう。
大迫力だ。
この絵にはストーリーがある。山を廻る高師がいる。
散歩する仙人がいる。
談笑する男たちがいる。
圧巻は村祭りだ。沢山の人たちが、広場に集まってる。
黒が圧倒的に黒い。
まるで昨日描いたかのような瑞々しさがある。
そのためか、画面全体の緊張感がとても鋭い。
強い線が縦横に躍動してる。
独特の雪舟ワールドだ。
柔らかいところはとても優しい。のんびりとした空気感が溢れている。
時には定規で引いたとしか思えない長い正確な直線の並びが現れる。
どうやって描いたんやろ?
とても興味深い。
15m歩いてるあいだずっと楽しい。
確かに時間が経ってるんで、紙はあちこち痛んでるけど、とても新鮮に見えるのは
技がなせるものか。
解説を見ると、この紙は竹葉紙を使っているのだそうだ。それがどういう意味で、
どういう効果があるのか、よくわからんけど、中国で勉強してるときには高級紙と
言われていて、普通の画仙紙よりはかなり高かったのを思い出す。
筆の滑りがよくて、色の乗りが良いと言う人もいた。中国でいるときに沢山買って
おけばよかった。
何度か行きつ戻りつしながらじっくり見させていただく。

絵の中の世界が目の前に立ち上がってきそうだ。すばらしい。

この部屋には他にも国宝がある。
いわゆる毛利の「三本の矢」の書付などだ。
なるほど、成程とは思うけど、どうしても気持ちは雪舟に行く。
「これだけ人が出て来るのに、女性がいない」と友人が指摘。
なるほど気がつかんかった。何でやろ?
考えてもわからへん。
ええもん見させていただいた。

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ありがとうございました。