水郷を楽しむ。
静かな疏水の上にギイギイと櫂を動かす音だけが聞こえて、とてもしずかだ。
いや、おっちゃんのお喋りは別にして。
ここは、舟に乗ったからといって特になにか目立つものや建物があるわけではない。
ただの自然があるだけ。
「何もないことを楽しむ」という境地かな?
草木もあんまり茂ってはない。冬枯れを楽しむ風景だ。
たまに建造物がある。
壊れかけたというかほぼ壊れたボート小屋。
昔賑わった頃の遺物なんやろか。
ボートもある。
だんだんと自然の中に溶け行ってしまいそうになってる。
もうちょいだ。
家もある。
まさか住んではるんやろか?
とても風情がある。
まあ、住むにはいろいろ不便やら問題はありそうではあるが。
目に優しい風景が続く。
ここには神様が。
これは水の神様かな。
こんな景色はええですなあ。
白鷺がいた。
時々、鳥を見かける。鴨のような小さなのが多い。
しばらくすると白鷺が見えた。
真っ白な姿はとても存在感がある。
こういう冬枯れた風景にこの鳥はとてもよく似合う。
絵心がそそられる。
例えばこういう詩が思い浮かぶ。
柳宗元の「江雪」というやつだ。 千山鳥飛ぶこと絶え 万径人蹤(じんしょう)滅す 孤舟蓑笠(さりゅう)の翁 独り釣る寒江の雪
白鷺は出てこないけど、冬枯れの寂しさがたちこめてる。
こんな気分を絵に描きたいと思う。
バス停の怪人。
白鷺といえば、ひょうきんな景色も楽しめる。
ある日、都会の真っ只中のバス停にいたら、おっさん的なやつがおりました。
とても飄々としてええ感じですなあ。
実にシュールでありませんか。
中国、揚州、痩西湖。
なにもない風景を楽しむのもええけど、中国へ行ったら、何でもあるあるの世界だ。
なくてもあるにしてしまう、すごい国だ。
これは、揚州に行ったときの思い出。
まずは、金山寺。われらが雪舟の絵にでてくるやつだ。
あの頃は、長江に浮かぶような寺だったみたいやけど今は、河のほとりの地上にある。
長江って近くでみたら海みたい。
その後は、有名な痩西湖に行った。
杭州の西湖に似せて造られてちょい小さいということでこの名がつけられたそうだ。
いかにもええ景色だらけ。
いかにもという感じがあっちにもこっちにも。
それにしても、こういう名所をつくるのは上手やなあ。
枯木逢春。さらっと書が出てくる。
いかにも中国らしい。
ここは柳の名所らしい。
でも、これで絵をかく気はあんまりしいへんなあ。
船漕ぐおっちゃんは椅子に座ってやるのか?
なんだか雰囲気ないなあ。
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水郷まるやまの地図です。