舟に乗る。
さて、舟に乗る。
わしらは4人、貸切やから舟一艘、余裕たっぷりだ。靴を脱いで奥に入る。
一人1枚ずつ毛布がある。しかも、一人ずつ湯たんぽも用意してくれてた。
湯たんぽって実はとても暖かい。
わしは、家で薪ストーブを使っていて普段は鉄瓶でお湯を沸かしてて、いつでもお茶や珈琲を飲めてとても便利だ。それで、夜は、そのお湯を湯たんぽに入れて布団を温めている。
これがとても気持ちがいいのだ。
寝る前に熱々のお湯を満タンにすると朝までたっぷり暖かい。
あるいは、昼寝の時ですらまだ暖かい。湯たんぽはエコでとても使い勝手がいいのだ。
こうやって、舟にのって、毛布があって、湯たんぽがあると、川風がビュービュー吹いてるなかでもとても快適に過ごせる。
船頭さんはご機嫌で話好き。
船頭さんはご機嫌で、話好きだ。
冬になると、雪景色の写真を撮りにくる人が多いらしい。
なるほど、わしらもスケッチをしに来たのだ。
しかし、こうして毛布にくるまってみるとなかなかその気になれないのだ。
中国の桂林船下り。
寒い時といえば、もう16年も前になるけど、中国の桂林に行ったときも寒かった。
ここの場合もわしら友人たちで貸切やったけど、エンジン付きの船だった。なんせ距離が長い。
故に時間がかかる。3時間以上かかったんとちゃうやろか。
その時、わしらが通ったんはたしか裏通りやった。川に裏も表もないけど、正規の船着場にいた観光船ではないくて、たまたま、そこまで行くのに乗ったタクシーの運転手の知り合いがやってるという話に乗ってしまったのだ。よくある話。出発は、正規の港ではなくて横っちょの方。でも、特になんの問題もなかった。
観光船によくある、やかましい説明もないし、途中で食事を出してきて高価な料金を取るというのもなかった。とても地味なクルーズであった。
名にしおう絶景の名勝地、景色には何の不満もない。退屈する暇もない。
どこでも自由に止めてくれる、とても贅沢な旅でもあった。
ここの川は舟がとても変わってた。観光船はわしらが乗ったのもそうやけど、実に普通の屋根付きのやつ。
窓もあったんで、寒さに対しても問題なしであった。しかし、普通の船は、竹船で、どんなんかと言うと、筏の上に立って漕いでいくようなやつだ。今は、パドルボートとか言うて流行ってるみたいやけど、その元祖みたいなもんなんやろか。
なんだかみてるとほのぼのする。
中には、筏のうえに椅子を設置して客を運んでる船もある。
とても面白い。
川の上を椅子が走るってとてもシュールではないか。
そして、圧巻の風景。
これぞ桂林。
何時間見てても飽きることはない。
と言いたいとこやけど、さすがに3時間も4時間も見てたら景色でお腹いっぱいになってくる。
そんなとこだった。
ヨシとアシ。
両側は葦(ヨシ)が鬱蒼としてる。船頭さんによると、ヨシは中が空洞で強度があるんで簾などの加工に向いてるのだそうだ。アシはなかが詰まっててカスカスやから格がさがるという。
やっぱりここのがええのだとドヤ顔的に教えてくれた。
橋が現れる。
木の橋ばかりだ。よく映画やテレビで使われるという。
観光用に整備されて残されてるんかも知れん。
舟はゆるゆると進む。
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